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2011年9 月 2日 (金曜日)
藤子・F・不二雄ミュージアムが9月3日オープン:原画などで業績紹介、遊び心いっぱいの館内
「藤子・F・不二雄ミュージアム」(館長・伊藤善章藤子プロ社長)が9月3日、川崎市多摩区長尾2丁目にオープンする。8月22日には一般公開に先立って、報道陣に公開された。
同ミュージアムは、展示品はもとより館内の壁やトイレ、屋外広場、カフェの食べ物のほか、同館へのアプローチにあたるシャトルバスまで藤子・F・不二雄作品のキャラクターと遊びで溢れており、家族そろって楽しめる博物館になっている。
写真=藤子・F・不二雄ミュージアムの外観
「ドラえもん」「パーマン」などの漫画で知られる藤子・F・不二雄さん(本名=藤本弘/1933~1996年)は1961年から川崎市多摩区に住んでおり、遺族はいまも川崎市内に住んでいる。
ミュージアムは、藤子さんの死後、妻・藤本正子さんが「漫画の原画や資料を市民に公開したい」と1999年に川崎市に申し出たのをきっかけに、正子さん、藤子プロ、川崎市で協議・構想を重ねて開設されることになった。
旧小田急向ヶ丘遊園の大階段東側にあったボーリング場跡地に建てられたミュージアムは、市が小田急電鉄(株)から土地を借り、藤子プロなどが建物を建設して市に寄贈した。敷地の整備などは川崎市が行い、管理・運営は指定管理者の「藤子プロ」が行う。
敷地は約5,500平方mで、建物は地上3階建て鉄筋コンクリート(一部鉄骨)造りで、のべ床面積は約3,700平方m。
1階は展示室と約400点のグッズを販売するミュージアムショップ、膨大な資料や本などを備えて再現した仕事場「先生の仕事場」。
2階は展示室、オリジナル短編アニメなどを上映する100人収容のシアター、漫画の読めるコーナーやドラえもんの形をしたガチャポンなどが設けられた「みんなのひろば」、キッズスペース。
3階はミュージアムカフェと「どこでもドア」、ポンプで浮かび上がる「きれいなジャイアン」などが置かれた野外広場「はらっぱ」がある。
回廊部分は「先生のにちようび」コーナーや、藤子さんの業績を年代順に示したヒストリーロードになっている。「先生のにちようび」コーナーには、愛用の8ミリビデオやパイプ、結婚前に妻・正子さんに送った手紙、藤子さんゆかりの品々を展示してあり、多忙の中でも必ず家族と過ごしたという人柄をしのばせる。2つの展示室うち1階は、「ドラえもん」「オバケのQ太郎」「パーマン」「きてれつ大百科」などの原画を壁と机の引き出しをあけたような形で展示するほか、展示した原画に最新技術を駆使してペンやキャラクターを映し出して原稿の制作過程を紹介する「原稿ができるまで」などを常設展示する。柱と壁に原画を並べた2階展示室は、今回は「ドラえもん」「オバケのQ太郎」「21エモン」などの第1話を中心に展示、1、2階合わせて約150点の原画が見ることができる。
エントランスには、ネズミに耳をかじられたドラえもんのエピソードを思い浮かばせる「ねずみの入館はご遠慮させていただきます」、トイにはもじもじするしずかちゃんなどユーモアあふれた標示が施されている。
シアターは背景のスクリーンの扉が中庭に向かって開く仕掛けとなっている。報道陣への公開日にはシアターのステージで、ドラえもんの着ぐるみと阿部孝夫市長、正子さん、伊藤館長がそろってあいさつした。
阿部市長は「この度、生田緑地にドラえもんの誕生日(2112年9月3日)の101年前に開館することになりました。藤子作品は、日本だけでなく世界中で愛されているので、日本の代表する文化を発表する拠点としたい。子どもの夢、希望、友情、好奇心などを育て、導き出せるミュージアムとなり、川崎の自慢のひとつにしたい。周辺の生田緑地には日本民家園や岡本太郎美術館、青少年科学館があり、こうした施設のさまざまなキャラクターが集結する、文化の拠点として魅力を世界へ発信してほしい」と話した。
伊藤館長は「ミュージアムは多くの市民の方々のお陰でできました。ミュージアムは、奥様の『藤本を応援してくれた子どもたちに恩返ししたい』」という思いから始まりました。展示室は、静かさやエンターティメントの空間で、藤子先生の思想が表れており、現在進行形で作品を伝え、時代や世代を超え、充実させたい。藤子先生の、特にクリエイティブにこだわった『すこしふしぎ』(SF)というジャンルを味わってもらいたい」と意気込みを語った。
正子さんは「 子どもたちに何か恩返しと思っていたのが、皆さんの協力でこんなすてきな空間のミュージアムになり、とても気に入っています。これからがスタートなので、黙々と漫画を書き続けた彼の姿を知ってほしい」と喜んでいた。
入館者は年間50万人を見込んでいる。
ミュージアムは完全予約制で、1日4回に分け1回最大500人が入場できる。
開館時間は10時〜18時。入館料はおとな1,000円、中高生700円、4歳以上の幼児500円、3歳以下無料。
入館時間は10時、12時、14時、16時(指定時間の30分以内に入館)。
定休日は火曜日と年末年始。ゴールデンウィークと夏休み期間(7月21日〜8月31日) は無休。
チケットの発売は、入館前月の30日に全国のローソン各店で。
入館は川崎市民優先別枠があり、チケット発売日なども異なる。
問い合わせは電話0570-055-245(9時30分~18時)またはHP(こちら>)。
写真左=あいさつする(左から)伊藤社長、藤本正子さん、ドラえもん、阿部市長
写真右下=再現された藤子さんの仕事場
2011-09-02 in 02)イベント・催事, 04)教育・子ども , 07)文化・芸術, b) 川崎市のニュース, b2) 川崎市多摩区 | Permalink