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2007年1 月 8日 (月曜日)
川崎市の長尾神社で伝統行事の「射的祭」:9本の矢が命中「まずまず良い年に」
川崎市多摩区長尾にある長尾神社で1月7日、ことし1年の豊作を祈る江戸時代から伝わる行事「射的祭」が催された。竹で編んだ的をめがけて弓で矢を射る行事で、矢が的に当たる度に周りの人々からは盛んな拍手が上がっていた。
弓矢で的を射る行事は川崎市内では、同神社のほか、多摩区の子之神社(ねのじんじゃ)、麻生区の高石神社、宮前区の白幡八幡大神、中原区の日枝神社の5カ所で続けられている。いずれも馬に乗らない歩射(ぶしゃ)と呼ばれる形式だが、神社によって弓矢の材質や的の形、儀式に違いが見られる。長尾神社では、座ったまま弓を射るなどの特色がある。
「まとう」とも呼ばれる行事は、長尾神社奉賛会(鈴木恕会長)の手で毎年、1月7日に近い日曜日に催されており、氏子の家から選ばれた幼児2人が稚児となり、その介添人が稚児に代わって丸木の弓でしの竹で作った矢を的めがけて射るという素朴な行事。竹で編んだ直径約1.5mの的は、表に白と黒の同心円が描かれ、裏側の中央には大きな鬼の字と四方に小さな鬼の字を記した紙がはってある。
鈴木会長などの話によると、以前は弓には桃の木を用いていたが、現在は入手難などもあり梅の木を使う。稚児も3歳か5歳となっていたが、適当な年齢の子をみつけるのが難しく、その年に近い子が務めることになった。また、明治以降は1月7日に決まっていたが、氏子の減少などによる人手不足もあり、それに近い日曜日に開くことになったという。
行事は午前10時から始まり、神事に続いて、本殿の前に敷いた座布団に稚児2人と介添人2人が座り、介添人が交互に10mほど離れた大きな的めがけて矢を射た。弓が枝を切って曲げ、糸をはったただけという単純なもので、太さも違うため、的に当てるのはかなり難しいという。
見物の人たちは弓を射る度に矢の行方をじっと見守り、矢が外れると「アー」というため息をもらしたり、的に当たると歓声や拍手があげていた。ことしは12本の矢のうち9本が命中、鈴木会長らは「まずまず良い年になるのでは」と話していた。
2007-01-08 in 02)イベント・催事, 04)教育・子ども , 05)歴史, 08)経済・農業, b) 川崎市のニュース, b2) 川崎市多摩区 | Permalink
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