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2012年6 月26日 (火曜日)
狛江市長選挙・市議補欠選挙:市長選当選の高橋氏「財政再建へ大なた」と早くも意欲
市長選挙によって新しい狛江の顔が決まった24日夜、市内では悲喜こもごもの劇がくり広げられた。
高橋・山田陣営●わく笑顔と拍手
狛江市長選挙の開票が始まった21時過ぎ、狛江駅近くにある東和泉1丁目の高橋都彦氏の選挙事務所には支援者などが続々と詰めかけ結果を待った。22時30分過ぎに14,000票と相手候補の田辺良彦氏を500票上回ったという選管の発表が知らされると、支持者からどよめきが上がり、笑顔が広がった。22時38分に選管の確定得票数が伝えられ、勝利が決まると、高橋氏が姿を見せ、周りからは一斉に拍手が送られた。45分頃には市議補選で当選を決めた山田拓史氏もかけつけ、2人でがっちりと握手、事務所を埋めた支持者とともに万歳で勝利を祝った。
事務所にかけつけた人の中には「これで負けたらたいへんなことになった。ほんとうに良かった」などと興奮気味に話す声が聞かれた。
当選した高橋都彦氏は「(開票の)結果から見てたいへん厳しい内容で、善かれ悪しかれ16年続いた歴史の厚みを感じた。ただ、僅差とはいえ市民の皆さんが停滞から躍進を選択した結果で、期待に沿えるようがんばります」と表情をひきしめながら支持者に向かってあいさつ。続いて山田氏が「これ以上ないという結果を市民の皆さんに導いていただいた。議員という立場から新市長を全力で支えていきたい。議会も市民の期待にこたえられるように、少しでも良い議会になるようがんばりたい」と笑顔であいさつした。
写真右=勝利の握手をかわす高橋氏〔右)と山田氏
高橋氏に聞く●財政再建めざし大なた振るう
高橋氏は今後の市政について記者の質問に応じた。主な内容は次の通り。
財政再建について
「(財政危機を訴えたが)市政全般、特に財政に関して正しい情報が市民に伝わっていない。そのため票差が広がらなかった」「まず議会にも隠していた昨年11月8日の財務省ヒアリングの内容を明らかにしたい」「このまま財政硬直化が進めば市民生活にも影響が出てくる。4年間で市の財政を立て直したいが、そのためには大なたを振るわなくてはいけない」
公約について
「水道道路の整備、水道局用地の防災公園化、近隣市町村との関係の再構築、公共施設の防災対策などの公約を実現するためにスケジュールを立ててやっていきたい」
人事について
「市長になったらすぐに職員の資質、特に財政のエキスパートがいるかを見極めて、場合によっては都から財政や企画、道路など必要な人材の派遣を考えたい」
都の補助金活用について
「都の補助金を受けるには市が企画を立てなくてはいけない。これまでもそうした機会はあったはずだが、申請していない。今後は私自身がノウハウをアドバイスし、職員によく勉強してもらって、多くの補助金が受けられるにしたい」「都や国との信頼関係が壊れている。また、これまでできていない事業も多い。これは市民の損失につながることなので、その原因をきちんと調べたい」
市政運営について
「即断即決即行動のスローガンを守ってあたりたい」
田辺・絹山陣営●漂う沈痛な空気、矢野市長もがっくり
一方、和泉本町3丁目にある市長選候補の田辺良彦氏の選挙事務所には支持者が集まり、開票結果を待った。22時まで選管発表の得票数は市長、市議とも同数で接戦の様相をみせ、勝利への期待が高まった。しかし、22時30分に票差が広がり、さらに10分余り後に敗北が決まると、一転して沈痛な空気が漂い、ため息が漏れた。
矢野裕市長が到着、ついで田辺氏、市議選候補の絹山達也氏が硬い表情で事務所に入り、支持者にあいさつした。
結果について田辺氏は「矢野市政を受け継ぐことができなかったことは不徳の致すところで、申し訳なく思う。支援者の方たちにおわびしたい。(選挙中は)子育て世代からの期待の熱さを感じた。13,500という得票は政党を越えた大きな支持だと思う」と振り返るとともに、「今後は新しい市政を受け止めながら、『豊かな狛江をつくる市民の会』で選挙戦で訴えたことを実践していきたい」と話した。
また絹山氏は「残念な結果。『豊かの会』事務局長としての最後の務めとして立候補したが、役割を果たせなかった。期待にこたえられなかったが、めげずにやっていきます」と気を取り直していた。また矢野市長は「バトンタッチが成功せず残念です。選挙の時間が少なかったこと、相手と大差があるところからのスタートだったが、五分五分でこられたのは市民の支えがあったから。ただ(2人を)支えきれなかったことは申し訳ない」と選挙について振り返るとともに、新市長となる高橋氏に対して「公約の実現に向け、多くの市民の声に耳を傾けながら市政にあたって」と話していた。
写真左=沈痛な面持ちで記者会見する(左から)絹山氏、田辺氏、矢野市長
2012-06-26 in 06)政治, a) 狛江市のニュース | Permalink