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2007年11 月 2日 (金曜日)
川崎市麻生区にバラの新名所:農学博士が20年かけ育てる
川崎市麻生区高石4丁目30-1の駐車場の一角に四季を通じてバラが美しく咲く小さな花の名所ができ、地域の人の目を楽しませている。このバラを育てているのは、近くに住む果樹園芸の専門家で、見事な花に道行く人たちは、足を止めて見入っている。
(記事・写真=市民記者・森正昭)
この人は、元東京農業大学農学部助教授の大坪孝之さん(68)(写真左)。果樹園芸学を専門とする農学博士で、いまは同大学の成人学校や世田谷区、小田原市などで果樹や花栽培の講師をしている。
約50株の色とりどりのバラが、坂道と駐車場の間の角地にびっしりと植えられている。大坪さんによると、30年ほど前、この場所は庭石や残土の置き場になっていたという。そこを借りて段々畑とし、初めはイチゴや山野草を植えていたが、20年
前から少しずつバラに切り替えてきたそうだ。現在、育てているバラは、主に四季咲きの大輪系と四季咲きの房咲きだ。
大坪さんによると、バラをほぼ一年中咲かせるコツは、花が終わったらその部分を切って次の新芽を出させる、そして葉をたくさん出させることだそうだ。そのためには、日当たりが大事で、現在ばらを育てている場所は冬でも陽だまりで暖かいという好条件に恵まれているという。
バラの栽培は、ヨーロッパやアメリカのように夏に雨が少なく冷涼な気候が適しているが、日本は夏に雨が多く、暑いため夏越しには苦労が多い。雨が続くと花は腐ってしまい、葉は黒点病で落葉するので、殺菌剤の定期的な散布が欠かせない。
栽培にかかる費用は、ごみ置き場に出される草や落ち葉などをバラの下に厚く敷きつめ肥料としており「購入するのは化成肥料が年間1000円程度」と笑う。
この周辺は、春先になると紅梅、白梅が咲き、コブシ、菜の花、サクラなどの花がとりわけ美しく、地元の人たちに愛されている。
大坪さんは、道路から下の崖地に専門家ならではの知識を生かしてデイジー、ノースポール、サクラソウなども植えており、「たくさんの人が花を楽しんでくれればうれしい」と話すとともに「時間に余裕ができたら、地域の皆さんと協力して花を楽しめる街並みを作りたい」とはりきって手入れに励んでいる。
2007-11-02 in 01) 自然・環境, 09)市民活動, b) 川崎市のニュース, b1) 川崎市麻生区 | Permalink