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2017年1 月 2日 (月曜日)
天皇杯決勝、川崎フロンターレは鹿島アントラーズに1対2で敗戦:悲願の初タイトル、善戦も実らず
第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会の決勝戦が1月1日、大阪府吹田市の市立吹田サッカースタジアムで行われ、初出場の川崎フロンターレは鹿島アントラーズに1対2で敗れ、悲願の初タイトルはならなかった。川崎Fは前半に鹿島に先制を許したが、後半にFW小林悠(#11)のゴールで追い付き、試合は延長にもつれ込んだ。しかし、延長前半に鹿島に追加点を奪われ、猛攻をしかけたものの鹿島のゴールネットを揺らすことができず、涙をのんだ。関東勢同士の戦いになったものの、スタンドは34,166人の観客で埋まり、遠路、川崎や鹿島からかけつけたサポーターが熱心な声援をくり広げ、元日決戦にふさわしい雰囲気。試合後、くやしい敗戦に肩を落とす川崎Fの選手たちに、サポーターからは温かい拍手が送られていた。
2016年にチーム創立20年を迎えた川崎Fにとって、天皇杯は記念すべき年を飾るためになんとしても手に入れたいタイトル。スタンドは、川崎Fの青と、鹿島の赤でほぼふたつに分かれ、試合前から応援合戦がくり広げられた。川崎Fのサポーターたちはホームの等々力競技場と同様、川崎市民の歌を大声で歌い、さらに元日にふさわしく富士山の絵と賀正の文字をスタンドいっぱいに人文字で描くなどして、選手たちを勇気づけた。
試合は、チャンピオンシップを勝ち抜いて2016シーズンのJリーグ王者になっただけでなく、クラブW杯2位も獲得して波に乗る鹿島相手に、川崎FはJリーグMVPになったキャプテンのMF中村憲剛(#14)と、負傷を開けで先発出場したMF大島僚太(#10)に加え、この試合を最後にチームを去るFW大久保嘉人(#13)、初のJリーグベストイレブンに選ばれたFW小林を中心に再三、鹿島ゴールを脅かした。
試合中には、ファールをめぐってヒートアップした両チームの選手がもみ合う場面も見られるなど、ピッチ上には常にも増して大きな緊張感が漂う展開となった。そうした中で、前半42分に鹿島のMF遠藤康(#25)のコーナーキックにDF山本脩斗(#16)が頭で合わせて先制ゴールを奪い、均衡を破った。
追い付きたい川崎Fは、ハーフタイムにMF登里享平(#2)に替えてMF三好康児(#26)を送り出す。54分にMF大島からパスを受けた三好のスルーパスに反応した小林が鮮やかなシュートを放ち、待望の同点ゴールを決めた。川崎Fは勝ち越しを狙って再三鹿島ゴールを脅かし、65分には小林のシュートがゴールポストにはね返されるという惜しい場面もあったが、結局堅い鹿島の守りを崩すことができず、試合は1対1の延長戦にもつれ込んだ。
延長に入って、鹿島が果敢な攻撃を展開、前半4分にキャプテンのMF小笠原満男(#40)に替わって入ったMFファブリシオ(#11)が川崎Fのゴール前の混戦からゴールを決めて再びリードした。
延長戦の川崎Fのシュートは、鹿島7に対し2と、疲れもあってかペースダウン。コーナーキックでGKチョン・ソンリョン(#1)も鹿島ゴール前に上がるパワープレーを展開したが、鹿島ゴールは遠く、そのまま終了のホイッスル。鹿島の選手が19個目のタイトルを手にして喜びにわく一方、川崎Fの選手の多くがピッチに倒れ込んだ。
表彰式の後、サポーターへの挨拶のため整列した選手たちに、観客席からは大きな励ましの拍手や声援が送られていた。また、大久保はサポーターに向かって挨拶するつもりでお立ち台に昇ったが、涙で言葉につまり自分への応援歌の出だしを歌って深々と頭を下げた。
この試合を最後に退任し、名古屋グランパスの監督になる風間八宏監督は記者会見で「選手たちが最後までよくやってくれた。チャンスも多く作れたし、われわれのサッカーを見せられた。結果だけが残念だが、また次につながると思う。ベンチから見ていて、選手たちがものすごく成長し、たくましくなったなと、結果だけは悔しいけれど、選手たちは僕にとって喜びでもあり、誇りでもある」「(選手たちに)4年半の間、本当にありがとう。簡単な作業ではなかったが、選手ひとりひとりが自分たちがやるべきことを選んで、よくついてきてくれたことに感謝していると話した。来た時よりもほんとうにたくましくなったので、これだけ変化して、これだけ自分たちのサッカーができようになった。このチームはすごく未来があるので、これからの成長を楽しみにしている」と振り返った。
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