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2009年7 月28日 (火曜日)

川崎市多摩区の妙楽寺:新薬師堂の完成祝い稚児行列など落慶法要

090720myourakuji05 あじさい寺として知られる川崎市多摩区長尾の妙楽寺(溝江光運住職・天台宗)で7月20日、新薬師堂の完成を祝う落慶法要が営まれ、烏帽子(えぼし)や冠で着飾って寺の周辺を練り歩く稚児行列などが行われた。

090720myourakuji01 同寺の薬師堂には、川崎市重要歴史記念物に指定された永正6(1509)年の墨書が記された薬師如来坐(ざ)像(高さ48cm)、脇侍(わきじ)の日光・月光菩薩(高さ各65cm)の3像などがまつられている。
これらの像は、山門左側にあった長方形の蔵型の仏堂(約26.5平方m)に安置されていた。この堂は明治26(1893)年に建設されたもので、一見通常の蔵のように見える形で、側面に「花灯窓」と呼ばれるモダンなアーチ型の窓を備え、専門家によると珍しい形をしていた。
090720myourakuji02_2 薬師如来坐像の造立500年の節目を記念して薬師堂を新造する構想が、住職や寺の関係者などから持ち上がり、4年前に檀家、信徒など25人で建築委員を組織、2006年から工事が進められていた。
新薬師堂は、幅・奥行きとも約6.6mの方丈形で高さ約8mでのべ床面積は約43.75平方。正面に「向拝」を設け、屋根は銅板葺き。麻生区細山の香林寺の五重塔を手がけた宮大工の天野工務店が工事を請け負った。
090720myourakuji04_2 稚児行列は、導師の溝江住職とともに華やかな衣装を着けた3歳から10歳の地域の子ども54人が午前9時30分に長尾会館を出発、カメラやビデオを持った保護者が付き添って約800mを約30分かけて寺まで歩いた。境内に着いた稚児は、新薬師堂のお披露目として一人ひとり向拝の前に備えられた献花台に花を捧げて祝った。溝江住職と同宗派の僧りょは、午前10時から完成した薬師堂で念願成就を祝い、木の札をたいて護摩供養、その後本堂で地域の女性らの御詠歌や工事の完成まで経緯をおり交ぜた読経をして一連のセレモニーを終えた。
溝江住職は「先代から住職を引き継いで30年目のことし、地域の人々の浄財で500年を誇るお薬師様を木造のすばらしいお堂に迎えられたことがうれしい。建設に賛同していただいた多くのみなさんに感謝しています。これからも地域の人の立ち寄れるふるさとの寺としての役目を果たしたい」と安堵した表情。
建設委員長の鈴木恕さんは「新しい住民が増え地域の交流が薄れがちになっているなかで、この寺は自然やまつりなどで地域の心の支えとなっている。このため、初めは檀家だけでやろうという話もあったが、多くの人に協力を求め、500件近い寄付を集めることができ、立派な堂が完成した。これからもふるさとの誇りの場所として支えていきたい」と笑顔で話していた。
薬師堂の開帳はこの日限りだったが、秋には川崎市教育委員会の指定文化財特別公開が予定されている。

2009-07-28 in 02)イベント・催事, 04)教育・子ども , 05)歴史, b) 川崎市のニュース, b2) 川崎市多摩区 | Permalink

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