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2008年12 月24日 (水曜日)
川崎市麻生市民館で万福寺人参の品評会:ゴボウのように長いかつての麻生区の特産品
川崎市麻生区万福寺の麻生市民館で12月23日、半世紀前に地名を付けた特産品のニンジン味わう恒例の「第9回万福寺鮮紅大長人参品評会&試食会」が催され、家庭菜園愛好家など約50人の参加者はニンジンの出来映えを比べ、ニンジンづくし料理を味わった。審査の結果は、万福寺人参普及のための歌も作曲している漫画家で家庭菜園歴25年のよだひできさんが、9年目のチャレンジで初の最優秀賞を受賞した。
この催しは、麻生区の地名の付いたニンジンを復活させ、普及しようと市民団体の万福寺人参友の会、里山フォーラムin麻生、麻生市民館が主催する。品評会には、プロの農家、福祉作業所、麻生区や多摩区の市民が作ったニンジンと90cmを超え今回一番長かった審査委員長の農業研究家・飯草幸雄さんの参考出品も含めて14点が出品された。ニンジンは発芽率の悪い野菜だが、ことしは特にタネを巻く時期に猛暑と乾燥が続いたため、例年出品しているプロの農家は1件だけで、全体の出品点数も、例年に比べ、2、3点少なく成熟が遅れて細めのものが多かった。
審査にあたったのは、飯草さん、平林謙三里山フォーラムin世話人代表、小金井武春麻生市民館長、酒井成実岡上分館館長、高橋清行万福寺人参友の会会長の5人で、形、色、香り、味、長さなど各方面から比較審査。最優秀賞には麻生区王禅寺のよださん、味覚賞に麻生区千代ヶ丘の高橋清行さん、香り賞は麻生区白山の石渡喜代さん、姿 (ルックス)賞は麻生区古沢の井上清さん、色彩賞は王禅寺の高橋八重子さん、努力賞には麻生区片平の地域作業所はぐるま工房、鷲沢一夫さん、相沢毅一さんがそれぞれ選ばれた。
初めて作ったニンジンで努力賞を受賞した鷲沢さんは「ガーデニングが趣味で、夏野菜を栽培した経験がありますが、ニンジンは初めて。友の会会長の高橋さんの奥さんと私の妻が友人で、昨年はじめてこの会に参加し昔の野菜を復活させると聞き興味ががわいて種を分けてもらいました。庭に畳1枚くらいのスペースを作り1mくらい土を掘って入れ替え栽培しました。来年はもっといいニンジンができるようにします」とチャレンジ精神を見せていた。
審査後は、高橋さんらが提供したニンジンを使った料理を食べながらの恒例の試食会と交流会が開かれた。今回は麻生区役所保健福祉センターで健康作りのための料理講習を行っているボランティアグループ「麻生ヘルスメイト(食生活改善推進連絡協議会)」がスモークチキンとニンジンのサラダ、小松菜とニンジンのオイスターソース炒めのほかケーキなど5点を調理。また、例年料理を担当する友の会会員の宮河悦子さん、山本輝子さんらがきんびら、肉まき、すり身揚げ、人参歯タルタルソース添えまるごとフライほか摺り下ろし人参入りの団子と冬至カボチャ、ジュースなど6点を作った。このほか、素揚げや蒸すだけなど手をかけない物や生で他品種のニンジンと食べ
比べるメニューもあり、参加者たちは「どれもおいしい」「ニンジンの味と香りがしっかりしている」となごやかに談笑しながら味わっていた。
食事の後には、65cmのニンジンを出品してみごと初の最優秀賞に輝いたよださんが、受賞のよろこびをこめた即興の替え歌や「健康行進曲」「万福寺人参の歌」などをギターで弾き語り、大きな拍手を受けていた。
○万福寺人参
長さ60〜80cmに成長し、中心まで朱色をしているおり、ゴボウのように長く香りや味が強いのが特徴。「万福寺鮮紅大長人参」と商品登録名が付いている。昭和初期に万福寺周辺で作られていた「滝野川人参(東京大長人参)」を戦後に系統分離、より色鮮やかで長いニンジンとして品種改良に成功。全国農林産物品評会で5年連続1位を受賞し、優秀な農産物としてこの周辺で生産したニンジンは種を取る元の「母本」となった。しかし、百合丘団地の造成が始まった昭和30年代後半から作付け面積が減り始めたことに加え、短いニンジンが消費の中心となり、ほとんど作られなくなっていた。
現在、採種は長野県で行われている。
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