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2008年9 月 5日 (金曜日)
麻生市民館でしんゆり薪能:約1000人が伝統芸能楽しむ
川崎市の麻生市民館で9月4日、「しんゆり薪能」(しんゆり薪能実行委員会主催)が開かれ、約1000人が数百年の歴史を持つ華麗な伝統芸能を楽しんだ。当初は万福寺の十二神社南側にある「おやしろ公園」で催される予定だったが、雨が予想されたため会場を市民館に変更、ホール能となったが、観客に大きな混乱はみられなかった。公演中の午後7時過ぎに会場周辺へ激しい雷雨に見舞われ、主催者は胸をなで下ろしていた。
写真(上から)=「船弁慶」、能の装束のモデルとなった太田直麻生区長、狂言「膏薬煉」
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この日の演目は、能楽師・観世銕之丞さんが率いる「銕仙会(てっせんかい)」の構成で能『船弁慶(ふなべんけい) 』と狂言『膏薬煉(こうやくねり)』を上演。会場は、熟年の夫婦や女性連れのほか、テレビドラマなどで活躍する人気の若手狂言師・茂山宗彦・逸平兄弟の出演とあって、若い女性の姿もかなり見かけられた。
上演に先立ち舞台ではまず、太田直麻生区長がモデルとなって能の女装束の着付けを披露、この日の演目が解説された。
京の都と鎌倉の膏薬煉りがどちら効き目が強いか競う「膏薬煉」では、茂山宗彦さんと茂山茂さんが鼻の頭に張った長い奉書紙をひらひらさせながら引き合いを繰り返すユーモラスな演技に会場から笑いと拍手がこぼれていた。
「船弁慶 」は、兄・源頼朝と不仲となり都落ちする義経が静御前と分かれ、船で西国に行く途中で平家一門の亡霊に出合い、弁慶が数珠を音立てながら祈るというよく知られたストリーで、九世観世銕之丞さんが静御前の平知盛の霊の二役で出演。優雅な舞いと激しい長刀振りもある静と動が織り込まれたみごとな演技に観客は静まりかえって見入っていた。観客は「薪能ではなかったのがちょっと残念だったけど、お天気を気にせず、ゆっくり見られた」と満足した表情で語っていた。
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