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2005年2 月 5日 (土曜日)
多摩市民館で歌舞伎公演:83歳の女性ら区民10人も出演
川崎市の多摩市民館で2月4日、プロの役者に混じって区民10人が出演した「たま歌舞伎フォーラム」が催された。会場のホールには、鑑賞の抽選にあたった主婦などが午前9時から並びはじめ、780人が華やかな舞台を楽しんだ。
写真・上から=阿波の鳴門の一場面、舞台で演ずる市民、衣裳体験する市民、市民出演者一同、狂言踊り
同区では、区民に古典芸能に親しんでもらおうと、魅力ある区づくり推進事業として歌舞伎と薪能を毎年交代で公演している。今回は、市制80周年記念事業も兼ねより積極的な参加をと、メイン演目「傾城阿波の鳴門—どんどろ大師門の場」の参拝客役を区民から公募した。同区が歌舞伎公演で区民を公募するのは2001年についで2回目で、応募の15人のなかから24歳から83歳の10人(
うち男性1人)が選ばれた。1月に京橋まで通って義太夫方の三味線に出演した演出家・兼元末次さん(芸名・豊澤時若)の指導を受け、芸者、太鼓持ち、侍、仲居、町人、虚無僧などの役を演じた。
公演は、3部立て。1部は、「歌舞伎に親しむー歌舞伎の美/女形(おやま)」と題し、舞台で楽屋を再現し役者が化粧や着付け、カツラを付ける女形になっていくまでを紹介したほか、客席から希望者を募り芸者の衣裳を着付けて手の所作や歩き方など女らしく見えるコツを指導した。
2部は、近松半二原作の「阿波の鳴門」。訳あって郷里に残した幼い娘が親を捜し求めて巡礼となり母と名乗れぬままに再会を果たす有名な話し。人形浄瑠璃風に演じる子役のみごとな演技とせりふ回しに客席から思わずハンカチを取り出す人もいた。公募の区民は、幕があく最初と最後の部分に出演、せりふの声もよく通り、客席からはかけ声や拍手が起きていた。
3部は、狂言踊り「棒しばり」。酒を盗み飲みするため主人から棒に縛られ、後ろ手にされた
2人の家来が懲りずに留守中に酒を飲み、踊る内容。シリアスな劇の後のコミカルなストーリーに観客から、大きな笑い声と拍手がわいていた。
1日役者として出演した区民は、出番直前にお互いに写真を取り合ったりしてリラックス、幕が下りた後は、みな満足げ。最高齢の船水晃子さんは腰元役の重いカツラにもめげず「子どものころから歌舞伎が大好き。良い経験をさせてもらった」とニッコリ。虚無僧役の福永かほるさんは「女性が歌舞伎に出演できることはめったにないと思って参加した。ピアノ演奏で舞台には馴れているが目配りや歩き方が難しかったが、楽しかった。またやりたい」と話した。
2005-02-05 in 02)イベント・催事, 07)文化・芸術, b2) 川崎市多摩区 | Permalink
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