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2019年6 月 8日 (土曜日)
狛江市の多摩川で屋形船が引っ越し:貸しボートのモニュメントに
狛江市の多摩水道橋下流の貸しボートで使われていた屋形船の引っ越しが6月5日に行われた。貸しボートの営業休止にともない屋形船を使わなくなったため、水害シーズンを前に移設することにしたもの。約1時間半をかけて大型のクレーンを使って川面から吊り上げ、堤防下の小段に据え付けた。
写真=川から吊り上げられる屋形船
この貸しボートは「たまりや」の名で長く営業、近年は狛江市観光協会が運営してきた。しかし、協会の委託を受けて業務を行ってきた谷田部靖彦さんがことし1月に急逝したため、靖彦さんと一緒に業務を続けてきた弟の和夫さんは存続を断念、営業を休止していた。
長く親しまれた多摩川の貸しボートを多くの人に記憶にとどめてもらおうと5月4日と5日に無料で体験するイベントを催し、家族連れなどの人気をよんだ。
屋形船は約30人が乗れる木製の和船で、普段はボートに乗り込む際の桟橋代わりにするほか、毎年夏に催される灯ろう流しなどに使われてきた。
屋形船は営業休止中も岸に係留されてきたが、川の増水による流失や事故の恐れなどがあったため、数十メートル離れた陸上に保存することにしたもの。
観光協会や谷田部和夫さんは、塗装や修復を行ってモニュメントとして残していきたいとしている。また、靖彦さんの妻のノリ子さんは「長い間使ってきた屋形船が、梅雨前に川から引き上げられ、しばらくの間でも河川敷に保管されて見ることができてほっとしている」と話した。
多摩川の貸しボートは他にないため、観光スポットとして存続することを検討しているという。