2021年11 月 6日 (土曜日)

第50回目の川崎市文化賞:前岡本太郎美術館館長の北條さんら6氏2団体が表彰

Kawasakibunkasyo-11川崎市の第50回文化賞・社会功労賞などに、医学博士で日本学術振興会学術システム研究センター顧問の黒木登志夫さん、前岡本太郎美術館館長の北條秀衛さんら6氏2団体が選ばれた。11月4日に中原区の川崎市国際交流センターホールで贈呈式が催され、福田紀彦川崎市長から受賞者に賞状と記念品などが手渡された。

写真=川崎市文化賞贈呈式で喜びの受賞者

市の文化賞は、同市が政令指定都市になった1972年に創設。1991年度には文化賞、社会功労賞、スポーツ賞に分けられ、2003年度にアゼリア輝賞、2005年度に特別賞が新設された。今年度を含め川崎の文化、芸術、市民福祉、スポーツなどの各分野の向上・発展に尽力した315人の個人と83団体が受賞している。

ことしの受賞者は、文化賞に黒木登志夫さん(85・中原区)、日本地名研究所(高津区)、北條秀衛さん(75・麻生区)、ゆりがおか児童合唱団(麻生区)、社会功労賞にハンセン病回復者で川崎市肢体障害者協会会長の石山春平之さん(85・宮前区)、前川崎医師会副会長の片岡正さん(69・東京都世田谷区)、アゼリア輝賞に俳優の加藤梨里香さん(23・高津区)、サクソフォーン奏者の齊藤健太さん(29・埼玉県草加市)。
贈呈式には個人受賞者6人に加え、日本地名研究所から金田久璋所長、ゆりがおか児童合唱団から常任指揮者の藤井大輔さんと団長の高野知宙さんら全員が出席した。福田市長が賞状とガラス製記念品などをそれぞれに手渡し、約200人の参列者から祝福の拍手が贈られていた。

受賞者の挨拶では、北條さんは「私は元市職員で、言わば黒子。式典もうまく進行できるか、今も心配する気持ちがある」と笑いを誘った後「関わってきた文化人や市民の支えがあったからで、賞はマラソンの給水と思い、これからも文化の発展のためにがんばります」と語った。
小学6年生でハンセン病に罹患した石山さんは、「学校に病気を届け出た時に『汚い』と叩かれながら学校を追われた」という辛い体験を披露、「立派な賞をいただけるとは思わなかった」と言葉を詰まらせながらも「80歳を超えたが、残された人生を(差別のない社会のために)精一杯がんばりたい」と力強く述べた。
福田市長は受賞者の人柄や功績を紹介し「受賞を契機にさらなる活躍を希望しています」とはなむけの言葉を贈った。

●受賞者のプロフィールと受賞理由(敬称略)
○文化賞
Kawasakibunkasyo-1☆黒木登志夫=くろき・としお(学術)
〜がん研究とかわさき市民アカデミーの発展に貢献〜
長年にわたりがん研究に従事し、日本のがん医療の発展に貢献するとともに、東京大学医科学研究所教授、岐阜大学学長、日本癌学会会長などの要職を歴任し日本の医学界を牽引してきた。
また、サイエンスライターとして活躍、多数の著書を執筆し、正確な医学情報をわかりやすく解説、新型コロナウイルス感染症に関して感染症の基礎知識や研究の最新情報を伝える活動にも積極的に取り組んだ。
川崎市では、かわさき市民アカデミーの講師として、医学や生命科学全般について市民にわかりやすく伝える活動に尽力している。

黒木さん「研究によって私自身も自分のがんを早く発見できた。研究をわかりやすく解説して還元するのが使命です。市民アカデミーで約10年にわたり毎年講演しているのでぜひ参加してほしい」

Kawasakibunkasyo-2☆日本地名研究所=にほんちめいけんきゅうじょ(学術)
〜地名、風土の価値を伝えて40年〜
川崎市を拠点に、時代と共に失われつつある古い地名の由来などに関する学術的な研究を重ね、土地の風土と不可分の地名の価値を発信する活動を継続している。
日本の民俗学に大きな足跡を残した谷川健一氏(故人)を初代所長として発足し、以後、全国地名研究者大会の開催、各地の地名研究会の支援など地名や風土を見直す全国的な研究活動の中心的役割を果たしてきた。
川崎市においては、研究成果を「川崎の町名」「川崎地名辞典」などにまとめたほか、地名に関する市民講座などを通じて、市民が自分の住む地域の歴史・文化への理解を深め、地元への愛着を深める機会を提供している。

金田所長「5月に創立40周年と地名研究所創設者の谷川健一生誕百年のシンポをやりました。谷川は、地名は『日本人のアイデンティティーに不可欠な存在』が持論でしたが、私は大地のDNAだと付け加えたいです」

Kawasakibunkasyo-3☆北條秀衛=ほうじょう・ひでえ(文化活動)
〜深い造詣と情熱で川崎の文化芸術振興を牽引〜
川崎市の教育長などを歴任し、公益財団法人川崎市文化財団理事長、岡本太郎美術館館長を歴任し、市の文化芸術事業に広く携わった。文化財団理事長として、川崎市ミューザ川崎シンフォニーホール、川崎市アートセンターなどの運営、発展に尽力するとともに、自身の芸術や伝統芸能への深い造詣と情熱により、川崎ジャズ、しんゆり芸術祭、川崎大師薪能など、多くの市民に親しまれている大型文化事業の立ち上げや運営を牽引、市の文化振興に貢献した。準備室長時代から関わってきた岡本太郎美術館の館長として、市出身の芸術家の岡本太郎の魅力を市民に伝え、館の発展に尽力した。

北條さん「これまで賞をいただいた先生方や市民のお陰で受賞できたことを、長い人生・マラソンの給水だと思い、まだまだ元気なのでこれからも文化の発展にがんばりたいです」

Kawasakibunkasyo-4☆ゆりがおか児童合唱団=ゆりがおか児童合唱団(学術)
〜地域から世界に響く子どもたちの美しい歌声〜
子どもたちが音楽によって健やかな、豊かな心で成長してほしいとの願いで1970年に麻生区百合ケ丘で創立、50周年を迎えた。
市内での定期演奏会の開催、音楽イベントへの参加など、地域に根ざした活動を継続し、小学1年生から高校3年生までの子どもたちによる美しい歌声が長年にわたって市民に愛されている。
多くの合唱祭などで数々の賞を受賞、著名なオーケストラやアーティストとの共演、テレビ出演、海外への演奏旅行を行うなど活躍の場を広げるほか、合唱団の卒業生が音楽家や指揮者として活躍するなど、市を代表する児童合唱団として音楽文化の向上に貢献している。

藤井常任指揮者「私もこの合唱団出身です。創設者で指揮者の山田榮子さんから引き継いで10年が経ち、山田の代わって賞を受けたと思います。毎年入団してくれる子どもと、聴きに来てくれる人がいたから、50年続きました。支えてくれる麻生区や川崎市に感謝し、少子化の中でも子どもの歌声が、文化がつながっていけばと思います」

Kawasakibunkasyo-5○社会功労賞
☆石山春平=いしやま・はるへい(社会福祉)
〜差別や偏見のない社会を目指して〜
ハンセン病回復者として、日本におけるハンセン病患者の権利回復運動を牽引してきた。実名を公表し、ハンセン病に対する誤った偏見や差別に苦しんだ経験を基に、全国各地で講演を行い、人権啓発活動に注力してきた。
川崎市では、30年以上にわたり障害者の生活を支援するガイドヘルパーに従事、市の福祉団体の役員を務めるなど、地域の障害者支援のリーダーとして、地域福祉の向上に貢献するとともに、福祉と人権問題に関する市民向けの講演を行い、差別や偏見のない社会の実現に尽力している。

石山さん「こんな立派な賞をいただけるとは思いませんでした。ハンセン病の収容所で働いていた女性と出会って結婚でき、夢のようだと思いました。その妻から、受賞の知らせを聞いて『やっと太陽が出た』と喜びの声をかけてくれました。残された人生を多くの人のために精一杯頑張りたいです」

Kawasakibunkasyo-6☆片岡正=かたおか・ただし(保健衛生)
〜地域の子どもを守り、市民の命を守る〜
1996年に市内に小児科医院を開業して以来、長年にわたり地域の小児科医として母子保健の向上に尽力した。市医師会の副会長などを務め、市全体の医療体制の充実をめざして病児・病後児保育施設の開設、小児救急医療の体制整備などに尽力、地域の子育て支援体制の充実や小児医療の発展に貢献した。
また、新型コロナウイルス感染症の流行に際して市医師会の担当副会長として指導的役割を担い、市や医療関係団体と連携し、感染症の検査やワクチン接種体制を構築するなど、市民の命を守るため、感染症の終息に向けた取り組みに副会長退任後の今も尽力している。

片岡さん「25年前にクリニックを作りましたが、医師会を手伝うようになって仕事が増えました。全国に先駆けて公設民営の病児保育を手がけてきました。今回の新型コロナウイルス感染症の対策のように、これからも行政と医師会が両輪となり、協力共存でやっていきたいです」

Kawasakibunkasyo-7○アゼリア輝賞
☆加藤梨里香=かとう・りりか(芸術・演劇)
〜川崎生まれ、川崎育ち。舞台で輝く若手俳優〜
2歳から子役として活躍し現在はミュージカルなどの舞台を中心として活動、これまで30以上の舞台に出演。ことし公演の帝国劇場ミュージカル「レ・ミセラブル」では主役級のヒロインのコゼットを熱演するなど、目覚ましい活躍をしている若手俳優。
川崎生まれ・育ちの俳優として、テレビやラジオ番組、自身のSNSで独自の視点で川崎の魅力を発信している。

加藤さん「このような賞をいただき光栄です。生まれ育った川崎の街を盛り上げ、今回の賞の名のようにたくさん輝けるよう精進していきたいです」

Kawasakibunkasyo-8☆齊藤健太=さいとう・けんた(文化・音楽)
〜サクソフォーンの音色が川崎の未来を彩る〜
洗足学園音楽大学出身のサクソフォーン奏者で、4年に1度開催される世界で最も権威あるといわれる「アドルフサックス国際コンクール」で1位を受賞(2019年)し、将来が嘱託される若手音楽家のひとり。全国各地でのリサイタルやオーケストラとの共演など多岐にわたる活動を通じ、サクソフォーンの新しい可能性を模索している。また、市内での演奏や後進の指導にあたっており、川崎の音楽文化の担い手として、今後の活躍が期待されている。

齊藤さん「中学・高校と吹奏楽部でサックスを続けて、いろいろなコンクールに出ましたが、なかなか1位にはなれなかったです。人生最後のコンクールと思って臨んだベルギーで受賞できましたが、その後コロナ禍で演奏活動がなかなかできない日々が続いています。昨年から母校で後進の指導にあたっていますが、生活の中でサックスが親しみやすいものになるよう精進していきます」

 

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2012年10 月16日 (火曜日)

狛江の猪方小川塚古墳から市内初の横穴式石室:「狛江百塚」の歴史塗り替える発見、10月21日にも見学会

121016ogawadukakohun02狛江市の古墳で7世紀に造られたとみられる横穴式石室がこのほど見つかり、10月14日に見学会が行われた。昨年11月に同市猪方3-21にある猪方小川塚古墳を宅地造成にともなう緊急発掘したところ掘り出されたもので、同市教育委員会などの関係者は奇跡的な発見を喜ぶとともに、狛江の古墳について再検討を要する大きな発見と話している。同市では急きょ保存のため今年度予算に敷地を買い取る費用を計上して面積約240平方mの土地を買収するとともに、9月から10月にかけて保存のための調査を実施した。今後は遺跡の詳細な調査をまって、保存の方法などを検討することにしている。見学に訪れた市民たちは、切石で組まれた石室を眺めながら古代のロマンに思いをはせていた。

写真は、狛江市内で初めて見つかった猪方小川塚古墳の切石積みの横穴式石室

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古墳を熱心に見つめる見学者
同市はかつて「狛江百塚」と呼ばれたほど多くの古墳があったが、現在ではその多くが失われ、亀塚、兜塚、前原塚、経塚などがそのおもかげを伝えている。
猪方小川塚古墳はこれまで存在自体は知られていたが、古墳の主要部分は失われたと推定されていた。
しかし、宅地造成にともなって盛り上がっていた土を掘ったところ、凝灰岩の切石を積み上げた横穴式石室が市内で初めて見つかり、発掘にあたった調査団を驚かせた。
発掘調査の結果、猪方小川塚塚古墳は、古墳を取り巻く周溝の規模から推定して直径22mほどの円墳で、7世紀に築造されたとみられることがわかった。
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石室から見つかった副葬品の金メッキの青銅製耳環
石室は畳1枚分ほどの広さで、羨道(せんどう)、前室、玄室の3つに分かれており、天井部分と壁の一部は壊れているものの保存状態は良好だという。また、石室の中からは青銅に金メッキを施した耳環(みみわ)や鉄製の矢じりなどの副葬品も見つかった。
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石室から見つかった副葬品の鉄製の矢じり
今回の発見について同市教育委員会では、(1)これまで市内で古墳が造られたのは5世紀中頃から6世紀中頃までの約100年間と見られていたが、猪方小川塚古墳はそれよりも100年ほど後の築造であり、従来の考え方を再検討する必要がある(2)竪穴系の主体部を持つ古墳群が同市和泉地域を中心に形成されているが、猪方小川塚古墳はそうした古墳を避けるように多摩川を見下ろす段丘上に造られている(3)切石積みの横穴式石室は多摩川流域でも数少ない貴重な例で、多摩川中流から下流にかけての古墳の石室は河原石積みが多く、猪方小川塚古墳の埋葬者はそれよりも有力な人物と推定されるという。
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周溝から出土したつぼ
14日10時から16時まで行われた見学会には、市内外から約400人が次々と見学に訪れ、地中から掘り出された石室に見入ったり、担当者の説明に熱心に耳を傾けていた。
見学会は10月21日にも行われる。
見学会に関する狛江市の案内ホームページはこちら(http://www.city.komae.tokyo.jp/events/index.cfm/detail.4.50500.html)
問い合わせは電話03-3430-1111狛江市教育委員会社会教育課文化財担当。

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2012年8 月12日 (日曜日)

川崎市多摩区の宙と緑の科学館で開館記念の2つの写真展:星と昆虫の美しさに子どもたち歓声

星の写真展川崎市多摩区枡形の「かわさき宙と緑の科学館」で、同館のリニューアルオープンを記念して、星と昆虫を写した2つの写真展が同館2階学習室で催され、夏休みで同館を訪れた家族連れなどの人気をよんでいる。

写真=美しい天体の写真に見入る親子

「星の写真展」は、多摩区を中心に活動を続け、ことし結成40周年を迎えた「多摩天文グループ」が催しているもの。学習室やプラネタリウムの回廊に展示している写真は15人の会員が撮影した94点でほとんどが半切。写真は、40年の間に観測した大彗星や獅子座流星群、オーロラなどで、ことし大きな話題となった金環日食と金星の太陽面通過、1970年代、80年代の歴史的写真、流星、彗星、太陽系、星雲・星団など8つのジャンルに分けて展示されている。訪れた子どもたちは「この金環日食、ぼくも見たよ」「川崎でもこんなきれいな星空が見られるんだね」「実際のオーロラを見てみたい」などと話しながら熱心に見入っていた。
多摩天文グループは1972年に多摩区内の中学生10人余りで結成したもので、現在は川崎をはじめ横浜、東京都内などの30代から50代の会員31人が天文観測などを続けている。

 

昆虫写真展
生田緑地の昆虫の写真がずらり

「生田緑地の昆虫写真展」は、同館がある生田緑地で昆虫の写真撮影を続けている写真家の中井寿一さんが昨年からことしにかけて撮影した100枚を展示している。チョウやトンボ、ホタル、カメムシ、カミキリなど緑地に生息する多様な虫の姿が鮮明にいきいきと写し出されており、見学の子どもやおとなたちは「きれいね」「おもしろい形をしているね」「生田緑地にこんなにいろんな虫がいるなんて」と真剣な表情で見入っていた。
写真展はいずれも8月8日から26日までで、入場無料。
問い合わせは電話044-922-4731同館。

 

 

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2012年4 月26日 (木曜日)

4月28日に「かわさき宙と緑の科学館」開館:青少年科学館をリニューアル、世界一の星空がおめみえ

120424kagakukan02川崎市多摩区枡形の生田緑地の市立青少年科学館が、「かわさき宙(そら)と緑の科学館」(山田友之館長)としてリニューアルされ、4月28日にオープンする。新しい館は、宇宙と川崎の自然をテーマに、世界一の星空を投影するプラネタリウムや天体望遠鏡で宇宙についての知識を深めることができるほか、多摩川、多摩丘陵、市街地などの生き物や植物、地質、気象などに関する展示を通して川崎の自然を学ぶことができる。

120424kagakukan03前身の青少年科学館は1969年に「仮称・こども科学館」として建設が計画され、1971年にプラネタリウム館が開館、1982年に青少年科学館として本館が開館した。以来、自然科学の研究・学習・展示施設として数多くの市民に親しまれてきたが、施設のリニューアルが2008年に計画され、2010年から改築工事が進められ、ことし3月に完成した。新しい館の開館に伴って通称や愛称を公募、館の名称を「かわさき宙と緑の科学館」、愛称を「サイエンスプリン」と決めた。
3854平方mの敷地に建てられた施設は、新築された3階建ての自然学習棟(のべ床面積2145平方m)と、従来の青少年科学館の建物を改装した2階建ての研究管理棟(同929平方m)に分かれる。
自然学習棟は、1階に展示室、学習室、実験室、カフェテリア、2階にプラネタリウム、番組制作室、自然観察テラス、ホール、学習室、実験準備室、3階にアストロテラスがある。
研究管理棟には、1階に標本製作室、展示製作室、収蔵室、事務室、2階に調査研究室、天体観測室、図書資料室、閲覧室、ミーティングルームなどがある。
120424kagakukan01地球環境に配慮して太陽光発電パネルを設置したほか、LED照明や省電力蛍光灯の採用、カフェテリア前や自然観察テラスに再生木材デッキを使用するなどの対策を行っている。
見どころは、川崎市多摩区出身の大平貴之さんが同館のために新たに開発した新世代プラネタリウム「MEGASUTAR-III FUSION」(写真右下)。直径18mのドームに1500万個もの恒星や、170以上の星雲星団が投影できるのに加え、光学式とデジタル式の技術を併用して多彩な映像表現ができるのが特色。星の明るさの差や色をリアルに再現し、星空を取り囲む人の営みや風景も再現できるシミュレーターとして、宇宙旅行や世界のさまざまな土地での星空を体験できる。
120424kagakukan043階のアストロテラスは屋根が開閉式になっており、太陽専用の4連望遠鏡、30cm反射望遠鏡、20cm屈折望遠鏡2台を設置、月、太陽、惑星、恒星などの天体を観測できる(写真左下)
展示室では、多摩川、二ヶ領用水、市内の公園、生田緑地などの生物や化石、気象などを実物や展示パネルなどを通して学べるようになっている。自然観察テラスでは生田緑地の四季折々の姿や野鳥などを観察できるようになっている(写真左上)
今後は「開かれた博物館」「体験する博物館」「育む博物館」「つなげる博物館」の4つの基本方針に沿って、川崎の自然や天文についての資料や情報の提供、生田緑地利用者の憩いの場や市民活動の拠点の提供、自然や天文、」科学の体験を通した科学への興味の醸成、小中学校などと連携して学校教育の支援、次世代の育成、市民団体や市民、企業との連携などをめざすとしている。
開館を前に24日に内覧会が行われ、プラネタリウムの投影のほか、開発者の大平さんと前館長の若宮崇令さんが対談、科学館との関わりや開発の苦労話などが行われた。
開館時間は9時30分〜17時で、月曜日と祝日の翌日(土・日曜の場合は開館)、年末年始休館。入館は無料だが、プラネタリウムの観覧は一般400円、大学・高校生・65歳以上200円、中学生以下無料。
プラネタリウムの投影は土・日・祝日と春夏冬休み中が10時30分、12時、13時30分、15時の4回。火曜から金曜の平日は15時の1回。
オープン記念として5月末日まで土・日・祝日は16時15分から、平日は11時から追加の特別投影が行われる。
問い合わせは電話044-922-4731同館。

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2011年12 月 1日 (木曜日)

川崎市麻生区のオーロラ天文台が開設10周年:「冬の星空楽しんで」12月3日に記念の天体観望会

川崎市麻生区多摩美1-27-5にある「オーロラ天文台」が開設10周年を記念して「星空を楽しむつどい」を12月3日夜に催す。当日は、アマチュア天文ボランティアのグループ「渋谷星の会」のメンバーとともに、地元の若葉町会、麻生多摩美の森の会、多摩美の山トラストの会の公園で、17時30分頃から月や木星などを観察する。
参加は無料で、雨天中止。


この天文台は、アマチュア天文愛好家の小川誠治さんが2001年9月に自宅を改築するのに合わせて自費で建設したもので、直径3mのドームには大型の25cm反射望遠鏡を備えている。名称は、小川さんがアラスカなどの極北へオーロラの観測のため20回も出かけたことにちなんでつけた。
天文台の目的は、自分で観測するだけでなく、星空の魅力を多くの人に知ってもらい天文ボランティアを育てること。小川さんは、かつて渋谷駅前にあった五島プラネタリウムでボランティアを行っていたが、2001年3月に同館が閉館、小川さんとともに活動していたボランティア約50人が集まって「渋谷星の会」を結成した。オーロラ天文台では、五島プラネタリウムに代わる施設ができた場合に、すぐに協力できるようにしたいというのが、ボランティア育成のねらいだ。
小川さんは、天文仲間の協力を得ながら、開館当初から「星空を楽しむつどい」を続けてきた。そうした活動が次第に定着、地元の町会や市民団体にも支援の輪が広がった。天文台では一度に入館して観測できる人数が限られることから、近くにある麻生区市民健康の森やこども文化センターなどにも出向き、星の会のメンバーが望遠鏡を持ち寄って野外での観測会を開催。2006年から夏と冬の年2回開いている麻生区市民健康の森での観測会は地元の名物行事として、人気を集めている。また、隣の宮前区からも要望が寄せられ、菅生と蔵敷などのこども文化センターでも開いている。
川崎市青少年科学館の調査では、多摩美地区は多摩区の生田緑地、麻生区の早野と並んで星がよく見えるベスト3に入るという。
問い合わせは電話044-966-8488同天文台。

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2011年8 月 5日 (金曜日)

川崎市麻生区多摩美で8月6日夜に星空を楽しむ集い:天文愛好家らが望遠鏡持ち寄り

8月7日観測会 070 - コピー 「夏の星の美しさを楽しんで」と川崎市麻生区多摩美の市民健康の森で8月6日19時頃から「夏の星空を楽しむつどい」が開かれる。

写真は昨年の「つどい」(小川誠治さん提供)


オーロラ天文台、渋谷星の会が、」若葉町会や麻生多摩美の森の会、川崎・多摩美の山トラストの会の後援で催すもの。この催しは、同区多摩美の自宅に天文台を造って観測を続けている小川誠治さんらが、多くの人に星に親しんでもらおうと2006年夏から続けているもので、これまでに夏と冬に9回開き、多くの人に喜ばれている。
当日はオーロラ天文台、渋谷星の会の会員らが協力、18cm反射望遠鏡、10.5cmと6cmの屈折望遠鏡など数台の天体望遠鏡を使って、夏の星座や七夕の星として親しまれているベガ、デネブ、アルタイルなどの星を観察する。 
当日、薄雲の場合は実施、雨天は中止。 参加無料。
問い合わせは電話044-966-8488オーロラ天文台。 

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2011年6 月 2日 (木曜日)

川崎市宮前区の飛森谷戸の会:「ホタルの光守って」と15周年記念の下敷き製作、6月11日夜には森の音楽会

ホタル(下敷き用イラスト) 「川崎北部に残る貴重な里山、とんもり谷戸の自然を次代を担う子どもたちに守ってもらおう」と川崎市宮前区の「飛森谷戸の自然を守る会」(矢澤茂会長)が下敷きを製作した。発足15周年を記念した事業のひとつで、谷戸を象徴するゲンジボタルのキャラクターのトンちゃんとモーリくんからのメッセージとして、ホタルのミニ知識や鑑賞の際の注意などが印刷されている。また、6月11日夜には森の音楽会も催す。

写真はホタルの生態を描いた下敷きの片面

ホタルおもて 11.05.18.22.16 谷戸には、川崎市内ではほとんど見られなくなったゲンジボタルが生息、6月上旬から中旬にかけて羽化、夜空に光の軌跡を描く。ことしも例年より多少早い5月25日に雄が飛ぶのが確認されており、6月10日頃にピークを迎えそうと同会では予想している。
谷戸の自然の保護と再生に取り組んできた同会では、こうした貴重な自然を次世代に伝えるため、下敷きを作ることにした。
でき上がった下敷きは、片面に夜空を飛ぶ成虫や交尾、水中でカワニナを捕食する幼虫、土中のサナギなど、ゲンジボタルの生態をリアルに再現したイラストを掲載。もう片面(写真左)には、「飛び始めて7日〜10日しか生きられません。大事に見守って下さいね」「 ライトは地面を照らすだけに」「写真撮影はフラッシュを使わずに」「光るのは仲間との交信の為で大切な手段」などのトンちゃんとモーリくんからのお願いを印刷、捕まえないで見守るよう訴えている。このほか、ゲンジボタルについて、大きさ、光り方、幼虫、食物などのミニ知識、ホタルの一生などが紹介されている。
同会では隣接する川崎国際生田緑地ゴルフ場から助成を受けて4000枚を製作、周辺の向ヶ丘、白幡台、菅生の3小学校と初山幼稚園、菅生保育園の子どもたちに合わせて3000枚を配布する。 

6月11日18時から生田緑地内のおもい出のこみちにある森の広場で第20回森の音楽会を開催、会場でも配布する。
音楽会には、アコースティックPOPインストユニット「style-3!」のバイオリンの高嶋英輔さん、コントラバスの長澤伴彦さん、キーボードの堀江沙知さんが出演する。style-3!は、2008年のストリートミュージシャン バトル2のチャンピオンになり、神奈川を中心とした関東や静岡県、長野県などで演奏活動を行っている。
当日雨天の場合は初山幼稚園ホールで開催。
参加費は1000円(中学生以下は無料)。 収益は、また、会場では東日本大震災への義援金とみどりのボランティア活動の資金にあてる。
会場へは登戸駅から市バス鷲ヶ峰営業所行き、武蔵溝ノ口駅から市バス鷲ヶ峰営業所、マリアンナ医大行きで、いずれも初山下車、徒歩10分。 
問い合わせは電話044-977-6581高木さん。

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2007年6 月 5日 (火曜日)

狛江市で土屋塚の時代背景などテーマに文化財講演会

_ 狛江市中央公民館で、6月9日午後2時から4時まで市内から発掘された文化財をテーマにした講演会「狛江古墳群が語るもの〜土屋塚古墳出土遺物指定の意義から」が開かれる。

写真(狛江市教育委員会提供)=土屋塚から出土した円筒埴輪

講演は、2004年夏に発掘が行われた同市岩戸南の「土屋塚」から出土した円筒埴輪などの遺物がことし2月に市の文化財に指定されたのを受け、市教育委員会が催すもの。
東京学芸大学名誉教授で狛江市文化財専門委員の木下正史さんが、円筒埴輪が指定を受ける根拠となった歴史的意義などを解説する。また、「狛江百塚」とも呼ばれる狛江古墳群の成り立ちや特徴について、広く東日本的な視点から位置づけを行う。
定員は先着40人で参加無料。問い合わせは電話03(3430)1111狛江市教育委員会文化財係。

2007-06-05 in 02)イベント・催事, 05)歴史, 07)文化・芸術, a) 狛江市のニュース, 科学 | Permalink | コメント (0) | トラックバック

2007年3 月11日 (日曜日)

JR南武線が80周年:3月からスタンプラリーなど多彩な記念イベント

JR南武線が1927(昭和2年)の開業から80周年を迎え、スタンプラリー、クイズウォーキング、多彩な記念イベントが催されるほか、記念商品の発売な どが行われる。小田急電鉄もことし、同じく80周年を迎えて記念の行事を行う予定で、沿線の利用客や鉄道ファンなどを喜ばせそうだ。

開催されるイベントは、
(1)記念ヘッドマーク=「NANBU」「80」「2007」の文字をあしらった記念ヘッドマークを取り付けた電車8編成を3月上旬から運行。
(2)ミステリースタンプラリー=沿線各駅に置いてある応募チラシのヒントから推理して南武線の8駅を探し出し、チラシの応募ハガキに8個のスタンプを押して3月29日(消印有効)までに郵送する。抽選で80人にびゅう商品券3000円分、Suicaペンギンぬいぐるみのどちらかがプレゼントされる。期間は3月9日から28日。
(3)南武線リーフレット=沿線の自然、歴史・文化、味覚などの観光情報を紹介したガイドリープレットを首都圏の主要駅で3月上旬から配布。クーポン券で沿線のコーヒーショップで割引サービスが受けられる。
(4)南武線の歴史写真展=3月9日から28日まで、登戸駅コンコースに南武鉄道時代から現在までの写真を展示。
(5)記念イベント=3月25日午前11時から午後4時30分まで川崎ステーションビルBEで立川真司トーク・ものまねショー、鉄道模型、鉄道用品展示、南武線各駅長との記念撮影と写真プレゼントなど。
(6)南武線クイズウォーキング=川崎、鹿島田、武蔵小杉、武蔵溝ノ口の4駅に置いてあるコースマップを持って歩き、パンフレットの応募ハガキに答えを書いて郵送。全問正解者のなかから抽選で8000人に電車ピンバッチをプレゼントする。実施は第1回川崎・鹿島田間−4月中旬〜6月下旬、第2回鹿島田・武蔵小杉間−7月上旬〜9月下旬、第3回武蔵小杉・武蔵溝ノ口間−10月上旬〜12月下旬、第4回武蔵溝ノ口・登戸間−2008年1月上旬〜3月下旬。
このほか、沿線各駅の店で、記念おにぎり、南武線パン、記念の駅弁の発売や商品の割引販売などが行われる。
また、矢向駅、向河原駅のホームの屋根の延長、武蔵小杉・武蔵溝ノ口、登戸の3駅のホームのイスの改良や増設、久地駅と武蔵中原駅のエレベーター新設とトイレ整備、3月のダイヤ改正で電車の増発を行うなど、利用客のためのサービスの向上もはかる。

●砂利輸送目的に私鉄としてスタート
南武線は、1927年3月9日に砂利輸送を目的に南武鉄道株式会社として川崎・登戸間で開業。当時の駅は川崎、尻手、矢向、鹿島田、平間、向河原、武蔵中原、武蔵新城、武蔵溝ノ口、宿河原、登戸の11(現在は本線25、支線は尻手駅を除き3)だった。同じ年の8月に久地梅林(現・久地)、武蔵中丸子(平間・向河原間)の2駅が開設され、11月に路線が登戸から大丸(現・南多摩)まで延長された。
28年には大丸から屋敷分(現・分倍河原)まで、29年には立川まで線路が延長され、30年には尻手・浜川崎間が開業した。
44年に国有化されたが、45年には空襲で川崎駅が全焼、武蔵中丸子駅が焼失し駅が廃止されるなど、戦争による被害も受けた。
66年に川崎・立川間が全線複線化され、87年には国鉄から東日本旅客鉄道株式会社の路線に変わった。
90年に武蔵小杉・武蔵溝ノ口間、2005年に稲田堤・稲城長沼間が高架化が完成した。

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2006年11 月 7日 (火曜日)

電力中央研究所が11月11日に一般公開:狛江市民祭り関連イベント

狛江市民祭りの関連イベントとして11月11日午前10時から午後4時まで岩戸北の電力中央研究所の一般公開され「体験しよう! 科学の不思議さ おもしろさ」が行われる。

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イベント、講演会、企画展示のコーナーで様々な催しが行われる。イベントは、市内の中学生の吹奏楽演奏、野点、模擬店、エアトランポリン、エコカーの試乗。講演会は午後1時30分からで「地球シュミレーターを用いた最新の温暖化予測」と題して同研究所の研究者が講演。身近なエネルギー、身近な科学の実験をテーマにした企画展示は、どれだけ電気を使っている?、風力フーカーズなどの展示、PHで色いろいろ〜野菜で染色、音を見よう!光を聞こう!〜光通信の仕組みなどの実験や元素の色を確認して炎色ろうそくつくりなどの体験が体験できる。
参加は無料。詳細はホームページで。
問い合わせは電話03(3480)2111電力中央研究所狛江運営センター。

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