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2004-09-12

埋蔵文化財の公開

埋蔵文化財の発掘現場に取材に行った。
埋蔵文化財の調査は、普通、その場所が開発される時に行われる。出土品を取り出し写真や文書で記録を残すのが一般的で、余程の発見や学術調査でない限り、その遺跡は壊される。

9月10日に訪ねた現場もこうした例に違わず、マンションを建設するための緊急発掘で、古墳の周溝が出てきた。7月に行われた一次調査では、伝えられていた年代よりも約一世紀遡る5世紀半ばと推定され、市民の間でにわかに関心が高まっている。こうしたことから、急きょ二次調査も行われ、一般公開されることになった。
周溝には埴輪と思える土器片がかなり出土していた。専門家の説明によると、一般的には、墓をまつる墳丘のまわりに置かれた埴輪が倒れ落ち、墳丘の裾野の部分に土器辺が散らばることが多いという。その現場は、土器片が墳丘から遠い物ほど低い位置にあり、説明がよくわかった。
今回の公開は、遺跡を埋め戻す前日に設定されたため、当日は周溝だけしか見られない。工事日程が最優先の緊急発掘だということは理解できるが、1500年以上前の人が作ったものを見る機会はそんなに多くはない。せっかく市民要望を受け入れて公開するなら、先人たちの生活が理解できる出土品が残っている時に行うのが、「壊される」遺跡を作った人々へのせめてもの思いやりではないだろうか?(ネコ)

Posted by 安永能美 on 2004-09-12 at 11:50 午後 | Permalink

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