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2004-09-10

スロープも訓練の場?

ことし市制80周年を迎える川崎市の本庁舎は、関東大震災以後の大正時代に建築された建物で、正面玄関は観音開きの大きな扉、天井も高くどっしりとしている。1階フロアは、入り口のアプローチから階段を数段昇る作りになっており、そこに小さなスロープがある。10数年前、体調を崩し任期途中で退任した伊藤三郎元市長の時代に、車イスで通う市長のために階段の一部を直して作られたものだが、古い建物のため完全なバリアフリー化はむずかしく、勾配が急だ。

9日、パラリンピックに出場する川崎市在住の3選手が阿部市長を表敬訪問、その様子を取材した。3人とも車イス生活者で、うち2人は介添えがいなかった。取材会場の2階から降りた時、エレベーターで1階に下りた選手に出会った。エレベーターは、階段1段分ほど高くなった場所に設置されており、滑る止めがついた短いスロープがあったが、3人とも一気に下りた。廊下の壁に当たるのではとハラハラするほどのスピードだったが、その様子は、はつらつとスピードを楽しんでいるようにも見えた。声をかけようかと思ったとき、入り口に常駐している庁舎を管理する職員が出てきて介助を申し出たが、車椅子バスケットに出場する一人の選手がその申し出を断り、自分で車イスの後輪を高く上げてスピードを殺し、後ろ向きで難なく降りた。その顔はいたずらっぽく、まるで日常のちょっとした困難を、競技するための筋力を鍛える楽しいチャレンジととらえているような明るさだった。(ネコ)

Posted by 安永能美 on 2004-09-10 at 11:02 午後 | Permalink

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