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2006-10-05
MacPro導入始末
写真を管理・編集するソフトApertureを買った。それはいいのだが、いつの間にやらMac Proの購入にまで発展してしまった。コンピュータ、ソフトなければタダの箱とは昔から言われてきたことだが、あるソフトを使うために、新しいコンピュータを買うというのは、初めての経験である。それにしても、34,000円のソフトを快適に動かすために60万円近い投資というのは、我ながら正気の沙汰ではない。ここらでブレーキをかけなくては……。
デジカメでスポーツを撮影していると、とにかく大量の写真がたまる。k-pressが発行している写真ニュース「川崎フロンターレnow」の撮影では、3人のカメラマンが写す枚数が1試合で2,000枚ぐらいになる。ちょっとしたイベント取材でも1,000枚を超すことは珍しくない。
問題は、撮影した写真のなかから、インターネット新聞や写真ニュースで使用する数枚をチョイスするのに要する時間だ。ひとわたり見て、使えそうな候補数十点を選ぶだけでも数時間、さらに絞り込んでいくのに2〜3時間かかる。
代表的な写真の編集ソフトPhotshopは、画像を加工するのが中心で、「写真を選ぶ」という作業には、数十点ならいざしらず、4ケタ近い数からチョイスするとなると、向いていない。この苦行から逃れたい一心で、これまで数多くのソフトを試してみたが、どれもイマイチであった。
というわけで、Apertureである。
ソフトの評価記事はこれまでにも目を通して気にはなっていたのだが、購入までにはいっていなかった。ところが、このところ写真の枚数が月を追って増える傾向にあったところに、9月からアメリカンフットボールのXリーグを取り上げることになり、このままでは写真の洪水に押しつぶされかねないという非常事態に陥り、Apertureの導入を決めた。
制作に使用しているメインマシンはPowerMacG5のデュアル1.8GHzなので、Apertureの最低条件をかろうじてクリアするかと楽観していたのだが、グラフィックカードが条件を満たしていないというのでインストールさえできない。結局、グラフィックカードを注文して、ようやくインストールできたのだが、今度は英語の壁にぶつかった。単語の意味を調べたり、あれこれ試して、ヨチヨチ歩きながらなんとか使えるレベルまできた。
ソフトとしては、よくできていると思う。さして使い込んだわけではないから即断はできないが、特に、画像を選ぶという作業については、これまで使ったソフトとは別次元と言ってもいいと思う。RAW画像の現像も、カメラの純正ソフトやPhotshopと比べて、かなり快適である。舞台や屋内など、シビアな条件の場合、RAW画像で撮影するのだが、現像作業の手間を考えると二の足を踏んでいたのだ。
ソフトは気に入ってのだが、もうひとつ問題が持ち上がった。スピードである。
これまで、1枚で数百メガになる画像の処理をしてもそれほど不足を感じたことがなかったPowerMacで、Apertureでは待たされる時間が増え、マシンの非力を思い知らされるようになった。さらに、ディスプレイも20インチでは小さ過ぎる。作業の効率化を目的に導入したソフトが、効率の悪化を招くようでは、なんにもならない。
熟慮の末(という割には即決に近いが)に、MacProの導入を決めた。ついでに、というにはいいお値段だが、ディスプレイも23インチのデュアルの予定を、ラックに収まらないという理由で、30インチにした。
アップルストアでApertureの購入ボタンを押してから10日間ほどで、気がついたらMacProのリース契約書に印鑑を押していたというのが、事のあらましなのだが、Mac との20年以上のつきあいのなかで、こんなことは初めての経験である。
スタッフのカメラマンのひとりは、おニューのEOS MarkIIを手にしてほくそ笑んでいるし、いまk-pressはちょっとしたバブル状態にある。そろそろ頭を冷やさなくては……。
それにしても、Macが届く前に部屋の模様替えをしなくては。
Posted by k-press on 2006-10-05 at 04:31 午前 in ウェブ・技術, 科学 | Permalink
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