1924年に誕生した川崎市が市制90周年を迎え、記念式典が7月1日、川崎区のミューザ川崎シンフォニーホールで催され、約1200人が参列、波乱に満ちた長い道のりを振り返るとともに“卒寿”を祝った。式典では、さまざまな分野で市の発展に貢献した108の個人と団体を表彰するとともに、前市長の阿部孝夫さんに特別功労賞が贈られた。
写真=川崎市制90周年記念式典
坂戸小合唱団
式典は、坂戸小学校合唱団が「かわさきのねいろ」「もういちどの星」を合唱、川崎の歩んだ90年の道程を約15分の映像で紹介した。
式辞を述べる福田市長
次いで、福田紀彦市長が「川崎の強みとは、挑戦し続ける精神、『チャレンジ・スピリット』ではないでしょうか。常に、仮題に挑戦し、困難をチャンスに変え、危機を成長に転換して日本をリードする。その精神こそが『川崎らしさ』だと考えます」「市制90周年を機に、身近な市民生活を支える『安心のふるさとづくり』と、持続的な成長に向けた『力強い産業都市づくり』、このふたつの調和を将来の社会ビジョンとして掲げました。この調査こそが、社会問題を解決するブレークスルーとなることを確信しています。こうしたチャレンジを実現するためには、川崎らしいDNAを持つ人が結集することが不可欠です」「きょうから川崎は、さらに大きな節目である市制100周年に向けて、新たなステップを踏み出します。きょうから始まる10年間において、市民が誇りと愛着を持つ『最幸のまち かわさき』の実現に向けて、未来を切り開いていきたい」などと式辞を述べた。来賓として出席した浅野文直市議会議長、黒岩祐治神奈川県知事が祝辞を述べた。
阿部前市長に特別功労賞を贈呈
文化、芸術、スポーツなどの分野と市民生活向上に積極的に取り組んだ2個人、47団体団体に奨励賞、市の事業に対する継続的な経済的支援、市民生活を支援する継続的な活動に取り組んだ14個人、33団体に功労賞、全市的な地域振興への功績と顕著な活動を行った8個人、4団体に特別賞がそれぞれ贈られることになり、各賞を代表して12人に福田市長が記念の盾が贈られた。
続いて、2001年に就任して以来、3期12年にわたって財政の建て直しとともに、自治基本条例の制定など大規模な改革を行い「川崎再生」を果たすとともに、「音楽のまち かわさき」など文化の振興に取り組んだ阿部前市長に特別功労賞が贈られた。
新城郷土芸能囃子曲持保存会が腹に乗せたウスで餅つき
アトラクションとして中原区の新城郷土芸能囃子(はやし)曲持保存会による民俗芸能が披露され、約55kgもある米俵を軽々と扱う演技や、腹の上に米俵とウスを乗せてモチをつく力業に大きな拍手が贈られた。
東京交響楽団が記念演奏
2部では、東京交響楽団がワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲、川崎ゆかりの歌手坂本九さんの「上を向いて歩こう」などの記念演奏が行われ、参加者は熱心に耳を傾けていた。