川崎市市民ミュージアムで6月28日から9月23日まで「横尾忠則肖像図鑑 HUMAN ICONS」(川崎市市民ミュージアム・日本経済新聞社主催)が開かれている。同展は、俳優や作家、ミュージシャンなど時代を彩る多くの人々を描いた作品をポートレートという切り口で展示するもので、期間中には、関連イベントとして遺影プロジェクト、スペシャルトークなども行われる。
同展は、横尾さんの出身地の兵庫県神戸市に2012年開館した「横尾忠則現代美術館」の巡回展で、さまざまなメディアに発表された作品のうち、1960年代から今日までの絵画を中心にイラストレーションやポスターなど約600点を展示している。会場は、俳優、作家、歌手・ミュージシャン、家族、芸術家Collaboration I ×三宅一生、Collaboration II ×瀬戸内寂聴、Collaboration II ×檀一雄の8コーナーに分かれおり、同館学芸員の平井直子さんによると、ほとんど横尾さんのアドバイスに添って展示したという。
222点と一番作品の多い作家コーナー(写真左)は、成島柳北から中上健次まで明治以降の日本近代文学者の肖像画を、写真を元にF4号に描いた作品で、輪郭をずらしたり文字を入れたりしたグラフィックデザイナーならではの色遣いや筆遣いの作品も多い。
作家シリーズを手がける契機となったCollaboration II ×瀬戸内寂聴は、瀬戸内さんが出会った人物をテーマに日本経済新聞社に連載した「奇縁まんだら」の挿し絵で(写真左)、大きな壁面に人物画を組み合わせて展示してある。
このほかビートルズや忌野清志郎、高倉健、美空びばり、浅丘ルリ子などのスターを描いた作品や、画家としてさまざまな技法で描いた油彩やアクリルの大作もあり、横尾さんの多彩な創作活動と世界観を知る展示となっている。
同展の観覧料は一般700円、65歳以上と高校・大学生は600円、中学生以下は無料。開館時間は9時30分〜17時(入館は16時30分)。休館は月曜で、祝祭日の場合は火曜日。
問い合わせは電話044-754-4500川崎市市民ミュージアム。
このほか、2階アートギャラリーで、同館が収蔵する作品から肖像にちなんで北野険、宮武東洋、清水今、岡本一平などの写真、絵画、彫像、映像、漫画作品を展示する「顔」展も8月3日まで開催されている。
こちらは入場無料で、7月8日に展示替えする。
関連イベント
「遺影プロジェクト」
参加者の「遺影」を撮影して、死と生の境界に意識を向けさせる若手作家・倉谷拓朴さん(写真家/現代美術)による「遺影プロジェクト」の展示と撮影イベント。
「Last Portrait Project」と題して倉谷さんが各地のイベントで撮影した「遺影」と、自ら収集した明治・大正期の遺影写真を1階逍遙空間に展示する。期間は6月28日〜7月21日。
7月6日、20日、21日10時〜12時、13時30分〜16時30分に遺影写真撮影(8cm×10cmのモノクロプリント1枚)を行う。定員は各日10人で、事前申し込み制。撮影時間は10分程度で、費用は郵送費込みで2000円。
○制作×鑑賞プログラム「コラージュを作ろう」
8月3日13時30分〜15時30分、1階逍遙空間
展示室で作品を鑑賞後、実際に画用紙に糊で様々な紙を張付けて「コラージュ」制作する。
○木下直之(東京大学教授)によるスペシャル・レクチャー
9月15日 14時〜15時30分、3階ミニホール
同展カタログの寄稿者木下直之さんが「肖像画」をめぐる多様な広がりについて語る
○みうらじゅんによるスペシャル・トーク
9月20日 14〜15時、映像ホール
いずれも事前申し込み制で、参加費は無料。ただし当日企画展観覧券が必要。申し込みは、同館ホームページ(こちら>)の各種イベント申し込みフォームまたはFAX (044-754-4533)で、イベント名を明記して氏名、住所、電話番号、FAX番号を書き、「横尾忠則展関連イベント」へ送る。受付は先着性で定員に達し次第締め切り。
○ベビーカーツアー「横尾忠則展」
7月8日 ・17日の11時30分〜12時30分
対象は0歳〜未就学児で、親子6組(先着順)
学芸員による展示解説付きの展覧会を鑑賞するツアーで、ボランティアスタッフがサポートする。
○学芸員による」展示解説
7月27日・8月24日・31日・31日・9月7日・21日14時30分。
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