川崎市市民ミュージアムが川崎市制90周年を記念し、「近代川崎人物伝〜川崎の礎を築いた偉人達」展を6月7日から8月24日まで開催している。同展は、自由民権運動、丸子橋の架橋、農機具の製造など市政、地域振興、産業発展などに貢献した川崎市ゆかりの13人に焦点を当てその業績から川崎の近代化をひもとく内容で、期間中には連続講座なども催す。
写真=ガラスケースなどに展示された資料
企画展示室2の会場には、各人の経歴を伝える文書、書簡、写真、川崎市制記念や水道水通水を記念する絵はがきなど約300点を展示している。展示資料は、同館が収集したものや遺族などから提供されたもので、なかには美須鐄がテレビ事業に参入し1953ごろにアメリカから部品を輸入して日本で組み立てた「日米テレビ」(写真左)、映画宣伝のための雑誌「川崎映画街グラフ」、日本全国に売り出された小型耕耘機「メリー・ティラー」の宣伝のために各地の農作業などをロケして1958年に作られたカラー映画フィルム「農村の四季」、川崎だけでなく日本の近代化を知るのにも貴重な資料もある。
期間中の6月14・22・28日・7月6・20・21日・8月9・17・23日の13時30分から同館学芸員による展示解説が行われる。
関連イベントの連続講座は、4回で内容は以下の通り。
○7月5日「川崎の自由民権運動 上田・井田・鈴木」、講師は一橋大学院社会学研究所准教授の石居人也さん
○7月12日「初代川崎市長 石井泰助」、講師は横浜市史資料研究所員の松本洋幸さん
○7月19日「多摩川に橋を架ける 安藤安」、講師は同ミュージアム学芸員
○7月26日「農器具メーカー細王舎 箕輪三代」、講師は同ミュージアム学芸員
時間はいずれも14時〜15時30分、会場は同館3階研修室。定員は35人、費用1,500円(4回)。申し込みは、同館ホームページ(こちら>)の各種イベント申し込みフォームまたはFAX (044-754-4533)で、氏名、重傷、電話番号、FAX番号を書き「近代川崎人物伝関連イベント」係へ。受付は先着性で定員に達し次第締め切り。
同展に先立ち6月6日に取り上げた13人の親族や資料提供者など約50人を招いて内覧会が行われた。土谷憲司館長が「近代川崎に生きた伝説的人物13人にスポットを当て、川崎の歩みを振り返ることで地域への愛着を考えるきっかけになってほしい」とあいさつ。参加した安藤安のひ孫で20代目の当主の安藤均さんは「父や祖父から話を聞いていたが、展示を見て改めて曾祖父の業績を誇りに思います」と話していた。
同展の観覧料は、一般500円、65歳以上と高校・大学生は400円、中学生以下は無料。開館時間は9時30分〜17時(入館は16時30分)。休館は月曜で、祝祭日の場合は火曜日。
問い合わせは電話044-754-4500川崎市市民ミュージアム。
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