社会人のアメリカンフットボウル日本一を競う第28回ジャパンエックスボウル(アメリカンフットボール日本社会人選手権)が12月15日に東京ドームで行われ、2年連続6回目出場の富士通フロンティアーズと初出場のIBMビッグブルーが対戦した。開始直後に相手ボールをインターセプトしてタッチダウン(TD)した富士通がそのままゲームの流れを引き寄せ、7本のTDを決めて44対10で悲願の初優勝を果たした。
この結果、1月3日14時から東京ドームで行われるライスボウル(日本選手権)は、富士通と学生日本一の関西学院大学が対戦する。
写真=富士通DB三木慎也がインターセプト、そのまま45ヤード走って先制のタッチダウン
会場には、昨年より約2,500人上回る25,085人が詰めかけ、試合前からチアリーダーのかけ声に合わせて熱心に応援合戦を繰り広げていた。
IBMの攻撃で始まった試合は、第1クォーター(Q)開始早々に富士通ディフェンスバック(DB)三木慎也(#14)が相手のパスをインターセプト、45ヤード走って1分39秒にファーストTDを奪った。その後、6分57分にはキッカー(K)西村豪哲(#11)が47ヤードのフィールドゴール(FG)を決め、直後のIBMの攻撃時にはラインバッカー(LB)鈴木將一郎(#45)がインターセプトして攻撃権を奪い、クォーターバック(QB)コービー キャメロン(#3)からボールを受けたランニングバック(RB)ジーノ ゴードン(#29)が12ヤード走り抜けてTD(写真左上)、ディフェンス陣の活躍でチャンスを確実にTDにつなぎ、攻撃の流れに乗った。
第2Qに入ると、IBMは3分02秒にQBケビン クラフト(#3)のパスを受けたワイドレシーバー(WR)小川道洋(#17)がTDを決める。しかし10分に富士通のゴードンが2本目のTDを決め再び点差を広げ、IBMに攻撃権が移った後には相手のFGを阻止して反撃を食い止めた。
第3Qでは富士通がQBを平本恵也(#18)に替え、3分12秒にゴードンが3本目のTDを奪ったが、4分15秒にIBMにFGを決められた。富士通はその後ディフェンス陣が踏ん張り、インターセプトやQBサック(写真左)を立て続けに決めてIBMの得点機会をつぶした。
富士通の攻撃は第4Qになっても続き、4分09秒には平本からWR強盛(#!)のTDパスが通り、10分36秒にはゴードンがこの日4本目のTDを決めた。終了間際には自陣深くまで攻め込まれたが守り抜き、社会人トップの座に輝いた。
大会MVPには、4TDを決めたゴードンが選ばれた。藤田智ヘッドコーチは「これまで何度もチャンスがあったが、創部30周年、就任10年の節目に優勝できて本当にうれしい。ライスボウルに向けてしっかり準備したい」と話した。今井善教キャプテンは「1プレイ1プレイに集中して(きょうで出場していないメンバーも含めて)全員で戦い、結果を残せた。僕自身は5回目の出場だが、ずっと望んでいた優勝なのでうれしい。ライスボウルまでにさらに成長できるよう練習し、全力でひたむきにプレイする姿を多くの人に見てもらいたい」と喜びをかみしめていた。
川崎市は、川崎球場をアメフト専用に改修するなどンアメフト普及に力を入れており、富士通フロンティアーズもホームタウンスポーツチームのひとつになっている。福田紀彦川崎市長も試合を観戦、試合後はグラウンドに降りて表彰式に参加(写真右下)、「富士通の選手たちはすばらしかった。春の大会(パールボウル)はあと一歩のところで悔やしい思いがしたが、今回の優勝はとてもうれしく、146万市民を代表しておめでとうと言いたい。ライスボウルでは、必ず日本一になると信じています」と笑顔、選手やチーム関係者から胴上げされ喜んでいた。
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