中越地震の被災地小千谷市と川口町に支援をと、川崎市内の美容師ボランティア団体「PRIC(プリック)」(菅原司郎代表)が8月2日、支援高津区溝口の生活文化会館「てくのかわさき」で恒例のチャリティカットを行った。同会がチャリティーの支援先を被災地にした初めて。
臨時美容室となったのは同館ホール。床にビニールシートを張り、会議用の机には卓上鏡を置いただけのシンプルな設営だが、カット1000円、マユ手入れ500円とあって、午前10時の開場と同時に次々と客が訪れ、ピーク時の昼過ぎには10数人が順番待ちするほどの人気。
料金は格安だが、参加した美容師さん同士が互いの技術を競う機会にもなっており、この日を楽しみにしている常連客も多い。今回は約150人にのぼったが、夏休み中の3人の子どもと訪れた同区上作延の小澤恵子さんは「毎年違う美容師さんと話をするのが楽しみ。短時間にすばらしい技術で夏向きの髪型にしてもらいとてもさっぱりした」と笑顔で話していた。
同会は、美容師の技術を提供して社会貢献をと毎年チャリティーカットを実施、収益を社会福祉団体に寄付している。社会貢献は年1回だったが、昨秋、新潟県県中越地震が起きた際、「地震の被災者に気分転換と早く日常生活を取り戻してもらいたい」と同会代表の菅原さん(写真右)が仲間に呼びかけ、小千谷市や川口町の被災者が避難生活をしている体育館などにチャリティーカットのノウハウを持ち込み、カットや七五三の着付けなどのボランティア活動を数回行った。こうしたことから、9回目の今回は、復興に向かってがんばっている両自治体を引き続き支援することにした。
会場では、菅原さんらの活動を紹介したテレビ番組のビデオ上映や写真を展示。この日参加した42人の美容師のほとんどが新潟でボランティアを体験しており、客にその経験談などを語っていた。客の中には決められた金額より多く払う人もおり、集まった約15万円は小千谷市や川口町に贈られる。
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