狛江駅前のエコルマホールで1月29日、狛江市内の4つの地域センターの初の合同発表会「狛江の文化・芸術の祭典 がんばれ!川口町」が催され、900人を越える市民が参加した。会場には、新潟県中越地震で大きな被害を受けたふるさと友好都市の星野和久川口町長が訪れ、矢野裕市長から義援金1000万円の目録を手渡された。
祭典は、野川・上和泉・岩戸・南部の各地域センター運営協議会が、他のセンター利用者との交流を深め、合同で大きな催しを行おうと昨年春に企画、実行委員会を作って主催した。初の祭典を記念し、文化を通してふれ合いを深める「川口町の支援」を呼びかけ、支援・救援パネル展や義援金の受け付けを行い、約18万円の義援金を集めた。
星野町長は狛江市民の支援に対して直接お礼を述べたとこの催しに参加。開会に先立ちステージに登って深々と頭を下げて謝辞を述べてから現地の生々しい被害の状況、被害直後の不眠不休に続き地震計を備えた部屋での仮眠など自らの体験を交え「生活全体が破壊されたなかでは、1自治体では何もできない。応急生活ができるようになったから、はじめて中・長期の復旧・復興にむけて仕事に取り組めた」などと語った。
ロビー入り口付近には、狛江郵便局の協力で「絵手紙発祥の地・狛江から川口の町民を励そう」と絵手紙体験コーナーを設け、東野川に住む日本絵手紙協会・小池恭子さんと絵手紙サークル「ポップアップ」「野ばら」の有志が制作を指導。親子連れから熟年まで幅広い年代の市民が次々訪れ、短時間で野菜やポストなどの絵に「春よこい」「風邪ひかないで」などぬくもりのある言葉を添えて作品を制作した。絵手紙初体験の記念にと持ち帰った分を除き、約60通の絵手紙は、小池さんの手紙を添えて、川口町役場に贈られた。
ロビーには各センターで活動する14団体がペン習字、水墨画、俳句、書道、陶芸、油絵、折り紙、刺しゅう、フラワーアレンジメント、染色などの作品が展示され、熱心に見てまわり市民が多かった。
ステージでは、24団体が民謡、詩吟、舞踊、フラダンス、ジャズダンス、カラオケ、コーラスなどのほか一風変わった帯の結び方を披露する着物着付けなど日ごろの成果を大舞台で披露した。出演団体のほとんどが各センターで活動するグループの単独発表だったが、岩戸地域センターの「扇の会」と野川地域センターの「麻乃会」は、この日のために殺陣と踊りで構成する創作舞踊「それは恋」を合同で発表、客席からは出演者に大きなかけ声がかけられていた。
フィナーレは、被災地の1日でも早い復興への祈りを込め、狛江マンドリンギタークラブの演奏、手話ダンス「レインボー・ステラ」の踊りで、観客が「見あげてごらん夜の星を」を歌った。
合同作品を手がけた野見山栄子実行委員長は「開催が危ぶまれた時期もあったが、川口支援をきっかけに4つの運営協議会の協力体制や参加団体の意識も変わり、大勢の参加で楽しいひとときを過ごせ、初の祭典を無事に終えることができた。毎年は無理でも、またこうした機会を作りたい」とほっとした表情で語った。
コメント