職業柄、テレビをゆっくり観る時間がないのだが、毎日のニュースは欠かさず聞いている。と、思わず耳を疑ってしまうような事件が相次いで起きているではないか……。
人間、そこまで残虐なことができるものだろうか……と、ため息混じりにスイッチを切ることが多いが、こういう時は、好きな音楽を聴いて非日常の体験をするに限る。すぐに生の音楽が聴ければベストだが、そう簡単にはいかないから、すぐに好きな音楽が聴けるCDは有難い。
曲順を覚えてしまうほど、何回も聴いているCDがあるかと思えば、意気込んで買ったものの、1〜2回聴いたきりで、棚の奥に隠れているCDもある。
どうやって選曲をしているか自分なりに考えてみたが、どうやら疲れが溜まっている時は、知っている音楽を選ぶ傾向があるらしい。逆に時間がたっぷりあって、心身共に元気! 仕事や家事はやりたくないが……音楽でも!という時は、滅多に聴かない作曲家や、ほこりが積もりかけているCDに目がいくようだ。
衣食足りてという……諺が教えてくれるように、生きていくのに最低限必要なものが揃って初めて、他の欲が出る。それが、人間だけに与えられた「欲」でもあるが、速いことが価値あること、ぼんやりすること、時間をかけて物事を考えることが疎んじられる今の世の中では、自分から積極的に音楽を聴いたり、好きな本を読んだり、映画を観たりする時間を確保しないと、日常に押しつぶされてしまう。
心豊かに人間らしい毎日を過ごすためにも、音楽は必要ですよね……。