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2008年8 月24日 (日曜日)

狛江市の古民家園で親子絵手紙サミット:絵手紙の発祥の地を記念して丸形ポストのモニュメント設置

080823etegami01 絵手紙が狛江市で発祥したことを市内外に広くアピールするとともに絵手紙に親しんでもらおうと、8月23日に同市元和泉の市立古民家園で親子絵手紙サミットが催された。園内には初サミットを記念し、懐かしい丸形ポストのモニュメントがお目見え、親子絵手紙宣言が採択された。

写真(上から)=記念モニュメントの丸形ポスト完成した作品を持つ参加者親子と実行委員会メンバー、子どもに指導する実行委員、丸形ポストのモニュメント、作品の講評をする小池邦夫さん

080823etegami07_2 親子絵手紙サミットは、絵手紙発祥の地をまちの活性化に生かそうと2007年12月に発足した「絵手紙発祥の地—狛江実行委員会」(曽根嘉七実行委員長)が狛江市、むいから民家園と共催した初のイベント。
080823etegami02 この日は、午前10時にセレモニーが催され、矢野裕狛江市長が「OA化が進んで、手で文字を書くことが少なくなったいま、絵手紙は文化です。27年前に初めて絵手紙教室が開かれた発祥の地狛江で、描いて楽しい、もらってうれしい絵手紙で、親子のきづなを深めてもらいたい」とあいさつ。矢野市長、絵手紙創始者で同市東野川に住む日本絵手紙協会会長の小池邦夫さん、むいから民家園運営協議会理事長の石井久雄さん、曽根実行委員長、郵便事業(株)狛江支店長の神沼芳夫さん、狛江第五小学校教諭の安藤晴美さんの6人と、郵便事業が開始された1871(明治4)年当時の制服を身につけた郵便事業(株)小平支店長の林健志さん(前狛江郵便局長)の司会でポストのモニュメントの除幕式が行われた。
080823etegami08_3 このポストは、1949年に実用化された鉄製ポスト「1号丸形郵便差出箱」。四角い形の新しいポストに切り替わり廃棄される予定だったが、十数年前に昔の生活を知る”文化的資料”として市が郵便局から無償でもらい、文化財を収蔵する旧第四小学校に保管されていた。実行委員会メンバーがポストの存在を思い出し、発祥の地のシンボルモニュメントとして古民家園に設置することになり、民家園のボランティアが色を乗り直した。現役ポストと間違えないため上部に頭を作り麦わら帽子をかぶせ、投函用の穴をふさいでプレートも張った。
セレモニー終了後は、授業で絵手紙を取り上げている狛江第五小学校教諭の安藤晴美さん、絵手紙の本も著す小池さんの妻・恭子さんら実行委員4人が講師となり、民家園和室で親子絵手紙教室が催された。参加した11組の親子の大半は初めて体験だったが、慣れない墨と顔彩を使って約1時間30分あまりで描き終わり、実行委が用意した消しゴムの落款(らっかん)を押して完成させた。
080823etegami06 午後1時からは完成した絵手紙を親子ペアでスクリーンに映し出し、小池邦夫さんが1点1点の作品に対し、輪郭線や色使い、言葉の使い方など良い点を描いた人に話しかけるようにていねいに講評、参加者はうなづきながら熱心に聞いていた。最後に参加者代表として荒川文乃さん荒川朋子さん親子が「普段顔を合わせている親子の間でも、絵手紙によって、口では言い表せない思いを伝えることができることを確信、(中略)絵手紙は親子をつなぐことをここに宣言します」と宣言文を読み上げ、小池邦夫さんに手渡した。
完成した絵手紙は、実行委員会が画像を複写した後、この日のために曽根委員長が木で作った日付入りの特製スタンプと狛江郵便局の風景スタンプを押し、それぞれの親子あてに郵送される。
080823etegami05_2 会場を提供したむいから民家園では、かまどの大釜で(写真右下)ゆでたそうめんを、新しい竹を割って作った中庭の特設会場で流しそうめんにしてふるまい(写真、左)、参加者を喜ばせた。
会場には、名古屋の絵手紙愛好家や丸形ポストの写真を撮影するマニア3人が見学参加するなど、市外の人の関心も高かった。
080823etegami04_4 参加者のひとりは「娘が絵が好きなので参加しました。私は絵心がなく、絵筆を持つのも久しぶりだったが、古民家の落ち着いた雰囲気で無心で描けた。機会があればこれからも時々やってみて、実家の母親に絵手紙を書いて出したい」と笑顔で話していた。
実行委員会では、第2弾のイベントとしてに小池さんの講演会を企画、絵手紙マップの発行なども予定しており、絵手紙を通じた町おこしとネットワーク作りに意欲をみせている。

●小池邦夫さんが1981年に日本で初の絵手紙教室

狛江市は小池邦夫さんが30数年前から住んでいる。書家をめざしていた小池さんは、1978年から1979年に雑誌の企画で肉筆の絵手紙を6万枚書いたことがマスコミで話題となった。1981年7月23日には、狛江郵便局で小池さんを講師に「文月・ふみの日」イベントとして初の絵手紙教室が開催され、その後各地で次々と絵手紙教室が開かれ手描きならではのぬくもりを感じさせる新しいアートとして絵手紙の輪が全国各地に広がった。
市内には絵手紙愛好家も多く、公民館や地域センターで絵手紙サークルが活動している。こうしたことから2004年に狛江郵便局(当時)では、「絵手紙発祥23年キャンペーン」を企画して全国からお国自慢絵手紙を集めて展示、2005年には狛江郵便局前に現役の丸形ポスト復活させるなど絵手紙愛好家の間では、狛江市が「絵手紙発祥の地」として知られている。

関連記=狛江郵便局に丸形ポスト復活:絵手紙発祥の地のシンボルに>

 

2008-08-24 in 02)イベント・催事, 04)教育・子ども , 07)文化・芸術, 09)市民活動, 11)まちづくり, a) 狛江市のニュース, | Permalink

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