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2004年12 月31日 (金曜日)

馬頭琴演奏会:聴衆500人うっとり、収益金で内モンゴルに苗木800本贈る

(ボランティア市民記者・田井光枝)

04123101麻生市民館大ホールで12月9日、‘飛べよ!鷹よ、草原の風に乗って高く!!「馬頭琴演奏会」’が、500名を越す聴衆を迎えて開催された。演奏は、在日で活躍の馬頭琴演奏のホープ、チ・ブルグッドさんらが出演、馬頭琴のソロ演奏による第一部と、馬頭琴と西洋現代楽器によるユニット「ヒメル」の演奏の第二部という二部構成で催され、観客は深い音色のハーモニーをうっとりと楽しんでいた。

写真=一部で熱演するチ・ブルグッドさん(柴仁人さん撮影)

第一部では、ブルグッドさんの父で中国第一級演奏家と馬頭琴大師の称号をもつチ・ボラグさん作曲の演目「母に捧げる歌」などに加えて、砂漠の砂が風によってさらさらと姿を変え流れてゆく様子がアラビア的な音階を交えて演奏される「砂の記憶」と、チベット・ラサにある古刹、デブン寺院の前で子どもが唱えていたお経のメロディから発想されたという「天空の鷹」など、ブルグッドさんの作曲による精神性と民族性溢れる2曲が演奏された。共に馬頭琴演奏の高レベルのテクニックを必要とするもので、500名を越す聴衆は息をのんでチ・ブルグッド氏の奏でる馬頭琴の深い音色に聴き入った。
04123102第二部はブルグッドさんに加え、長く西洋現代楽器と関わってきた、内田充(ギター)さん、西上和子(ピアノ)さん、菅野吉也(パーカッション)さん、楠本雅祥(ベース)さんの5人による合奏。モダンでありながら、時に母親の声のように優しく、時に哀愁を誘う深い音色で奏でられる馬頭琴の音色が効果的で、西洋とモンゴル民族楽器が違和感なく溶け合っていた。メンバー一同の熱のこもった演奏の間には、ブルグッドさんのユーモアを交えたコメントで、会場は和気藹々(あいあい)とした和やかな雰囲気に包まれた。
終了後、参加者はそれぞれ、素晴らしい演奏会に参加できた喜びと馬頭琴の音色の素晴らしさを堪能した旨を主催者に告げながら帰宅した。また、3人に一人からアンケートが寄せられ、とてもよかったと評価された。
この催しは、1992年来、市民レベルでの国際友好活動の一環として、在日の中国民族音楽演奏者と協力し、市民によるボランティアで中国民族音楽のコンサートを開催してきた日中文化交流市民サークル‘わんりぃ’主催の最後のコンサートとして企画、開催されたもので、その記念として、近年乾燥化が進んでいる内モンゴルの草原の保護と育成の為に参加者一名につき一本の木を贈ることになっていた。
ブルグッドさんの話では、苗木は植林予定地から100kmから200km離れた農業指定区域から運び、運搬費用も含めて一本約200円。主催者の1本でも多くの呼びかけのカンパに応えた人も多く、今回の収益から約800本の苗木が贈られる。

写真・下=二部・ヒメルの演奏((柴仁人さん撮影)

2004-12-31 in 07)文化・芸術, 09)市民活動, b1) 川崎市麻生区, c)町田市, 音楽 | Permalink

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