2007-12-31

写真の洪水におぼれる

大みそかだというのに、写真の洪水と格闘中。新コンテンツ「かわさき花ごよみ」の立ち上げのため、写真をセレクトしているのだが、あまりに多過ぎて、出口が見えない状態が続く。
銀塩からデジタルへの移行は、時代の流れとはいえ、写真とのつきあい方を変えてしまったようだ。

Jリーグやイベントなどの場合、1回の取材で1,000枚以上撮ることも少なくない。スポーツ取材でカメラマンが複数の時は、1試合で数千枚、容量にして20GB近い写真データが一度に持ち込まれるから、1TBのハードディスクが半年持たない有様だ。
後になって必要な写真を探すのに1日がかりというケースが増えたため、写真整理用のソフトを入れて対応することにした。
現在、写真の整理のために使っているソフト「Adobe Photoshop Litghtroom」に読み込んだ写真は14万枚近く。だが、まだ読み込んでいないものが、この倍以上はありそうだ。
Lightroomの前は、AppleのApertureを使っていた。使い勝手がよくて気に入っていたが、10万枚を超えたあたりから動作が遅くなり、MacProでも厳しくなってきたので、ソフトを変更した。いまのところ、ソフトの動作は大丈夫なようだが、今度は人間の方がきつくなってきた。同じような数十枚の写真の中から最良の1枚を選び出すという作業を長時間続けていると、感覚がマヒしてきて、正直「どれでもいいや」という気分に陥る。写真のセレクトは、ソフト任せにできないから、この難行は当分続きそうだ。
それにしても、除夜の鐘までに作業が終わればいいが。

Posted by k-press on 2007-12-31 at 01:42 午前 in ウェブ・技術, スポーツ, 科学 | Permalink | コメント (0) | トラックバック

2006-11-04

MacProは速い・デカイ・美しい

MacProと30インチディスプレイがようやく動き出した。
正確にはMacProのほうは10月中旬に届いていたのだが、ディスプレイが在庫切れとかで、納品が下旬にずれ込んだ。
で、動かしてみての感想は「速い・デカイ」

とりあえずはMacProのセットアップ。
導入したのは2.66GHzのモデルで、グラフィックカードは画像処理がメインということでX1900 XTに換装、ワイヤレスのキーボードとマウスにした。
さて、まずメモリーの増設から。サイドパネルを開けてDIMMスロットにメモリ1GB2枚を差し込む。ついでに余っていた80GBハードディスクも組み込んだ。所要時間は5分程度。PowerMacG5も簡単だったが、こちらはさらに速い。
そう言えば、初めて使ったMacのIIciも速かった。カバーを開けてスロットに差し込むだけで完了したことを覚えている。
それにしても、内部がこれほど美しいコンピュータがMacProのほかにあるだろうか。G5のときも感動したが、MacProはCPUがIntelに変わっても、確実にDNAを受け継ぎ、さらに細部にまでブラッシュアップされたという印象だ。ここまでこだわって作られた機械はそうざらにあるものではない。
次は30インチ。とにかく高さも幅もデカイ。頭がつかえるため、幅120センチのラックの棚板1枚をはずして、ようやく収める。これまで使っていた20インチディスプレイと比べると、目のやり場に困る、という印象だ。Photshopのブラウザ画面を開くと、極端に言えばサムネイルの壁が目の前にできたようで、圧倒される。写真の修正作業などは、巨大な画像に立ち向かうという感じで、細部などはどうでもよいという気持ちにさせられる。室内の照明がディスプレイの明るさに負けるような感じで、環境光を含めて検討し直さなくてはいけいようだ。色再現も良さそうだが、いずれにしてもこれからカラーマネージメントをしてやらなくては…。
さて、MacProを動かしてみての印象だが、まず起動が速い。G5も速かったが、こちらは「待つ」という感じがない。もっとも、普段からシャットダウンさせるということがないので、業務にはあまり関係ないのだが。
心配したAdobeのアプリケーションもサクサク動いてくれる。かえってG5(1.8Gデュアル)より速いような印象だ。
導入のきっかけになったApertureだが、G5とは別次元のソフトのように動く。2000〜3000枚のサムネールのスクロールも実にスムーズ。時間に追われる作業をするときには、この差は大きい。
とりあえず約35000枚の写真をライブラリに読み込むが、プレビューやサムネールの作成時間もG5の半分程度の時間で終了。これでやっと本格的に使えそうだが、作業手順などはこれから試行錯誤しなくてはならないだろう。
ようやく動き出したMacProだが、本格的な稼働には、日常的に使う20本余りのアプリの動作確認やスタッフの教育などまだしばらくかかりそうだ。
新しいコンピュータを入れるのは以前なら楽しかったはずなのだが、このところ段々とおっくうになりつつある。使用するアプリや周辺機器が少なければいいのだが、減るどころか、増える一方というのが、セットアップ作業の時間と労力を増大させている。なんとかならないものだろうか。

Posted by k-press on 2006-11-04 at 06:56 午前 in ウェブ・技術, 科学 | Permalink | コメント (0) | トラックバック

2006-10-05

MacPro導入始末

写真を管理・編集するソフトApertureを買った。それはいいのだが、いつの間にやらMac Proの購入にまで発展してしまった。コンピュータ、ソフトなければタダの箱とは昔から言われてきたことだが、あるソフトを使うために、新しいコンピュータを買うというのは、初めての経験である。それにしても、34,000円のソフトを快適に動かすために60万円近い投資というのは、我ながら正気の沙汰ではない。ここらでブレーキをかけなくては……。

デジカメでスポーツを撮影していると、とにかく大量の写真がたまる。k-pressが発行している写真ニュース「川崎フロンターレnow」の撮影では、3人のカメラマンが写す枚数が1試合で2,000枚ぐらいになる。ちょっとしたイベント取材でも1,000枚を超すことは珍しくない。
問題は、撮影した写真のなかから、インターネット新聞や写真ニュースで使用する数枚をチョイスするのに要する時間だ。ひとわたり見て、使えそうな候補数十点を選ぶだけでも数時間、さらに絞り込んでいくのに2〜3時間かかる。
代表的な写真の編集ソフトPhotshopは、画像を加工するのが中心で、「写真を選ぶ」という作業には、数十点ならいざしらず、4ケタ近い数からチョイスするとなると、向いていない。この苦行から逃れたい一心で、これまで数多くのソフトを試してみたが、どれもイマイチであった。
というわけで、Apertureである。
ソフトの評価記事はこれまでにも目を通して気にはなっていたのだが、購入までにはいっていなかった。ところが、このところ写真の枚数が月を追って増える傾向にあったところに、9月からアメリカンフットボールのXリーグを取り上げることになり、このままでは写真の洪水に押しつぶされかねないという非常事態に陥り、Apertureの導入を決めた。
制作に使用しているメインマシンはPowerMacG5のデュアル1.8GHzなので、Apertureの最低条件をかろうじてクリアするかと楽観していたのだが、グラフィックカードが条件を満たしていないというのでインストールさえできない。結局、グラフィックカードを注文して、ようやくインストールできたのだが、今度は英語の壁にぶつかった。単語の意味を調べたり、あれこれ試して、ヨチヨチ歩きながらなんとか使えるレベルまできた。
ソフトとしては、よくできていると思う。さして使い込んだわけではないから即断はできないが、特に、画像を選ぶという作業については、これまで使ったソフトとは別次元と言ってもいいと思う。RAW画像の現像も、カメラの純正ソフトやPhotshopと比べて、かなり快適である。舞台や屋内など、シビアな条件の場合、RAW画像で撮影するのだが、現像作業の手間を考えると二の足を踏んでいたのだ。
ソフトは気に入ってのだが、もうひとつ問題が持ち上がった。スピードである。
これまで、1枚で数百メガになる画像の処理をしてもそれほど不足を感じたことがなかったPowerMacで、Apertureでは待たされる時間が増え、マシンの非力を思い知らされるようになった。さらに、ディスプレイも20インチでは小さ過ぎる。作業の効率化を目的に導入したソフトが、効率の悪化を招くようでは、なんにもならない。
熟慮の末(という割には即決に近いが)に、MacProの導入を決めた。ついでに、というにはいいお値段だが、ディスプレイも23インチのデュアルの予定を、ラックに収まらないという理由で、30インチにした。
アップルストアでApertureの購入ボタンを押してから10日間ほどで、気がついたらMacProのリース契約書に印鑑を押していたというのが、事のあらましなのだが、Mac との20年以上のつきあいのなかで、こんなことは初めての経験である。
スタッフのカメラマンのひとりは、おニューのEOS MarkIIを手にしてほくそ笑んでいるし、いまk-pressはちょっとしたバブル状態にある。そろそろ頭を冷やさなくては……。
それにしても、Macが届く前に部屋の模様替えをしなくては。

Posted by k-press on 2006-10-05 at 04:31 午前 in ウェブ・技術, 科学 | Permalink | コメント (0) | トラックバック

2005-10-11

出来心のタブレットPC

フトした出来心で買ったタブレットPCで久しぶりの日記を書いている。手書きで まとまった文章を書くのは久しぶりなので、新鮮というか、少し妙な感じだ。

電気店の中古売り場にひっそりと陳列されているのを見て、「軽そうだし、持って歩くにはいいかも」と衝動買いしたのが、7月。普段はMacな人なので、Windowsはカラキシ。セットアップ に悪戦苦闘した末、うまくネットワークにつながらず、結局、買ったままタナザラシになっていたのを「 大枚はたいたのにこれではイカン」と一念発起して、ようやく動き出した。

使ってみての感想は、まずカッタルイ。かなりパワーを使いそうな仕事をさせているのにマシンが追いついていない感じで、なにをするにも待たされてイライラする。

携帯性と手書き認識とを両立させるにはもう少し高速で発熱量の少ないCPUができるのを待つ必要がありそうだ。もっとも最新型のタブレットPCは改善されているのかもしれないが…。

0S自体もペン入力にはまだ十分対応しているとは言えない。画面の左上の方をクリック(正式にはタップと言うが)しようとすると手でディスプレイを覆ってしまうことになり、まことに具合が悪い。 改善の余地はまだまだたくさんありそうだ。

とは言え、肝心の手書き認識は悪くない。悪 筆でも、かなり崩した文字でもけっこう正しく変換してくれる。キーボードが苦手な人や子どもには良さそうだ。

他のパソコンと同等の機能を求めず、むしろ必要のなさそうな機能を削ってシンプルにすれば、もっと良くなるような気がする。いま人気の高い携帯型音楽プレーヤーのiPodはそうしたコンセプトで成功した好例だろう。

ここまで書いてきて、正直言っていささかグッタリした。キーボードで入力するより何倍も時間がかかる。だいいち漢字を忘れていて、思い出すのにひと苦労。これはタブレットPCの責任ではない。ひとえに使う人間の性能低下が原因である。パワーアップが必要なのはどうやらパソコンだけとは言えなさそうだ。

Posted by k-press on 2005-10-11 at 04:03 午前 in ウェブ・技術, 科学 | Permalink | コメント (0) | トラックバック

2005-01-29

タイタン星人

土星の惑星タイタンの写真は、感動ものだ。

厚いメタンの雲に覆われてわからなかったタイタンの素顔が、地表に突入した小型探査機ホイヘンスから送られてきた写真から次々と明らかになっている。
地表には海や山があり、川が流れ、泉がわき、雲が流れ、霧さえ漂うという。写真だけなら、地球のどこか、と言われても信じてしまいそうだ。しかし、氷点下180度の極寒のなかで液化メタンの雨が降り、川が流れる光景を思うと、人類の感覚を超えた世界と言うしかない。
タイタンには生命は存在しないと科学者は考えているが、タイタンを「メタンの水の星」と考え、生命の存在を素人が勝手に想像するのは楽しい。
……タイタン星人は、地球から突然打ち込まれたホイヘンスを見ながら、こんなセリフをつぶやく。
「ここより200度も気温が高いところで生命が誕生していたなんて、とても信じられない」(M)

Posted by k-press on 2005-01-29 at 03:21 午前 in 科学 | Permalink | コメント (1) | トラックバック